Bリーグ・サンロッカーズ渋谷（以下、SR渋谷）が1月8日、青山学院記念館（渋谷区渋谷4）で川崎ブレイブサンダース（以下、川崎）と戦い81-63で勝利した。

リバウンドからシュートまで持ち込むプレーなどで得点を重ねたジェームズ・マイケル・マカドゥ選手

　前節を連勝し迎えたこの日。現在東地区2位に付けている川崎に昨シーズンは1勝もできていなかったこともあり、「集中して勝ちに行こう」（伊佐勉ヘッドコーチ（HC））と臨んだ。

　伊佐HCが「ディフェンスの勝利」と評したこの日。川崎の最初の攻撃を制限時間いっぱい守ると、約4分30秒川崎に得点を許さないなど立ち上がりから好守を見せる。攻撃面では、ベンドラメ礼生選手が「比較的チェックが無い状態で打ちやすかった」と、スクリーンを使いフリーになったミドルレンジのシュートを確実に沈めるなど第1クオーター（Q）で7得点を挙げた。途中出場したマックス・ヒサタケ選手は攻守でのリバウンドやミスを誘う好守を見せたほか、2本のダンクを叩き込むなどして、25-13とリードを奪った。

　第2Qは、ミスからの失点が増え追い付かれるが、ダブルチームでボールを奪ったほか、ヒサタケ選手や関野剛平選手がリバウンドで攻撃をつなぎ得点するなど逆転は許さない。その場面でベンドラメ選手は、3ポイント（P）シュートにドライブ（インサイドへのアタック）からのアシストや得点と多彩なプレーで攻撃を引っ張ったが、「ディフェンスを後手に回らせることができたのは大きかった。攻めやすかった」と振り返る。3Pはディフェンダーが外れきれていない状況で沈めたが「バランスを保って打てたのと、試合前のアップでやっている動きで、入るかなと思った」と言い、レイアップを決めた場面については、「川崎のディフェンスが3Pを警戒していた分1歩遅れたのかな。有効的にドライブができた」とも。さらに、自分達のミスで川崎に攻撃権を渡した直後には、「ここで流れを持っていかれたらいけない」とプレッシャーを掛けてミスを誘った。

　45-36で迎えた後半は、立ち上がりで関野選手がドライブを積極的に仕掛けたほかスチール（ボール奪うプレー）をする好守も見せる。「シーズン当初から、リバウンドからパスを減らしてボールをプッシュしようとしている」（伊佐HC）なか、ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手はディフェンスリバウンドから自らボールを運びレイアップシュートまで持ち込むプレーで得点を重ねた。65-49とリードを保ったまま迎えた最終Q、川崎が身長2メートル越えの選手を3人同時に起用すると、SR渋谷は外国籍選手2人に加え身長199センチの西野曜選手を同時起用。自身より身長の高い外国籍選手とマッチアップした西野選手には「守り方を口頭ベースで話した」（伊佐HC）ほか、周りの選手には「ヘルプに寄るの位置とやられ方を話したが、想定したようにはやられていないのですごく良い仕事をしてくれた」と評価した。

　試合を通して各選手がドライブを仕掛け得点を挙げたりアシストをしたりしたが、「（川崎は）特にガードに厳しいプレッシャーを掛けてくる。横を向き始めたらもっとプレッシャーが強くなるので、そこは縦に切るようにと。（インサイド）深くまで行ったらシュートをし、（行けなくても）振り返れば（外角には）ジョシュ（・ハレルソン選手）がいる。良いドライブやチームショット生まれていた」（伊佐HC）。川崎を5本上回る4?本取ったリバウンドについては、「（川崎の）リバウンドは破壊力がある。今節は絶対に5人で行くように言っていて、選手がやってくれた」とも。

　川崎からターンオーバー24本を誘発したが、そのうちスチールは19本と伸びた。マカドゥ選手は1試合平均2.3本とリーグトップのスチール本数を誇っているが、「キャリアでは結構スチールを奪っているが、正しいディフェンスをことがスチールにつながっている。SR渋谷のディフェンスのスタイルによってより引き出されている」とその要因を分析する。

　ここ数日で複数のチームから新型コロナウイルス感染症陽性者が相次ぎ、この日の10試合中7試合が中止となったB1リーグ。ベンドラメ選手は、「皆が不安な気持ちがある中で試合をできたこと、ファンの皆に最高な試合を届けられたことはすごくうれしい。皆が努力をしているのも分かっているから、その中で僕に何ができるかと言ったらコートでパフォーマンスを披露すること。試合があるなら全力でプレーするし、応援してくれるファンにはしっかり感謝したい」と話した。

　両チームは9日も戦う。