Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が1月3日、新潟アルビレックスBB(以下、新潟)と戦い84-73で勝利した。
「新潟のエナジーに押された」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))前半。立ち上がりからビハインドを負うが、チーム最初の得点を挙げた石井講祐選手がリバウンドで攻撃をつなげたほか、渡辺竜之佑選手は客席に飛び込みながらルーズボールを追い、マックス・ヒサタケ選手は新潟のシュートをブロック行く行くなどアグレッシブなプレーを見せる。
15-20で迎えた第2クオーター(Q)には、シュートが決まらずリバウンドも取れず一時2桁リードを許す。新潟のゾーンディフェンスに対し、パスを回しすぎた前日の反省を生かし、「キャッチ&シュートを打て」という伊佐HCの指示通り3ポイント(P)シュートを放ち沈めた関野剛平選手は、ディフェンスリバウンドから速攻につなげるパスを出し、定評のあるディフェンスではマークマンに激しく当たった。外角のシュートが中心となっていたなか、田渡修人選手はプレッシャーを掛けてくる新潟のディフェンスに対し、「中に入ればディフェンスが収縮してアシストもできるだろうし、(自分で)フィニッシュまで行く力もあると思っていた」と、意識してインサイドにアタックしてシュートやアシストを決めた。
37-42で前半を終え、「よく我慢した。やることは変わらないので正しいプレーをしっかりやっていこう」(伊佐HC)と選手たちを送り出した後半。立ち上がりの早いタイミングで同点に追い付くと、一度新潟に渡りかけたボールに手を出し自分たちのボールにした石井選手が3Pを沈めたほか、「プレーが落ち着くから、要所で(ボールを)預けよう」(伊佐HC)と、前半、70%を超える確率でシュートを決めていたジェームズ・マイケル・マカドゥ選手のインサイドアタックで得点を重ね一歩前に出る。
62-58で迎えた最終Q、序盤にジョシュ・ハレルソン選手と田渡選手が3Pを沈めリードを広げる。田渡選手は、「アタックする意識が強くなっていた」SR渋谷に対し、新潟のディフェンスが収縮し自身が空いていたことから「チームでつくったシュート」と振り返った。「必ず流れが来るので我慢強くやり続け、流れが来た時に一気に掴みとろう」(伊佐HC)と話していたなか、その「流れ」が来たのは同Q中盤。スタイルであるオールコートで当たるディフェンスでボールを運ばせずミスを誘発すると、ベンドラメ礼生選手はスローインのボールをも簡単に入れさせない。さらに盛實海翔(もりざね・かいと)選手はボールを持たせないディフェンスでオフェンスファウルを誘発した。その後も石井選手、マカドゥ選手が新潟のパスをカットし得点につなげるなどして、残り約2分30秒でこの日最大となる18点差を奪った。
前半は2Pのシュート確率が伸び悩んだが、伊佐HCは「何が何でもバスケットを守るという新潟の気迫がそうさせたのかな」と分析しつつ、「ターンオーバーも少なく我慢できたので、悪いなりについていけた」ことを勝因の一つに挙げた。最終Qのディフェンスについては「良い嗅覚で流れを掴んでくれた」と選手たちをたたえた。
次節となる今月8日・9日には、川崎ブレイブサンダースと戦う。伊佐HCは「優勝候補筆頭だと思う。昨シーズン1勝もできなかったので、チームとしてチャレンジしたい」と話した。