Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が1月2日、新潟アルビレックスBB(以下、新潟)と対戦し88-68で勝利した。
粘り強くディフェンスして新潟のシュートをブロックした渡辺竜之佑選手
新年初戦となったこの日。前節敗れていたこともあり、「連敗しないようにという目標があり、新年一発目というのも重なって良いスタートが切れた」と伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は勝利を喜んだ。
試合の立ち上がり3分近く新潟に得点を与えなかったなか、ボールを奪うプレーやトラベリングなど新潟のミスを誘発するなどシュートも打たせない守りを見せたSR渋谷。その間に石井講祐選手の3ポイント(P)シュート、ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手のインサイドなどで得点を重ねリードを奪う。渡辺選手は「試合に入る前から絶対にリバウンドに行こうと決めていた」と途中出場直後にリバウンドに行きファウルを誘発。さらに「行ける時はアタックしていきたいという思いがある」と、フェイクを入れてディフェンスをかわしてレイアップを決めた。
26-14で迎えた第2クオーター(Q)、序盤は盛實海翔(もりざね・かいと)選手や高橋耕陽選手などが積極的にインサイドへアタックして得点を重ねる。「シュートを打てる時に打たなくて」(伊佐HC)得点のペースは落ちるが、「マッチアップしている選手にはやられたくない」という気持ちでディフェンスしている渡辺選手が「(抜かれても)最後まで付いていって中指でギリギリ触れられてうれしかった」と新潟のシュートをブロックするなど、新潟に簡単に得点を許さず41-29で前半を終えた。
後半立ち上がりはベンドラメ礼生選手が得点を重ね一時20点差を付けるが、同Qから出場した新潟のコービー・パラス選手に連続で3Pを許し、ミスから失点すると伊佐HCはタイムアウトを取り流れを切る。その後は、「(ミスを)引きずる傾向にあったのでそれは止めよう、切り替えて次のディフェンスにいこう」(渡辺選手)とジョシュ・ハレルソン選手がパスをカットしたり、渡辺選手が新潟の選手が持つボールに手を出してマイボールにしたり失点を抑えると、ハレルソン選手が連続で3Pを沈め、この日最大となる26点差を奪った。第2Qの反省を生かし、「少しは思い切り打てたのかな」(伊佐HC)と第3Qは3Pを10本中7本決めるなど31得点を挙げた。
第3Qまでは「ミスも無く素晴らしいゲーム運び」(伊佐HC)をしていたSR渋谷だったが、最終Qはゾーンディフェンスを敷いた新潟に対し、攻撃の制限時間内にシュートを打ち切れない場面も見られた。伊佐HCは「逆に言えばすごく余裕があって周りを見えていたが、パスが多かった。選手たちは時間を使おうとしたのかも知れないが、ちょっとリズムが崩してしまったので(シュートを)打つべきだった」と振り返る。20点差で勝利したものの、パスミスなど増えたミスから「ディフェンスもソフトになり良くない時間で終わった」(伊佐HC)と試合の終わり方に反省が残った。
両チームは3日も戦うが、伊佐HCは「40分間正しいプレー」をすることを課題に挙げ、渡辺選手は「守備で崩れなければ負けないと思っている。1試合通して強みである激しいプレッシャーでディフェンスをして、リバウンドもチームで取りに行きたい」と続けた。
新潟は渡辺選手が3シーズン前に在籍していたチーム。選手紹介時には新潟のファンからも一際大きな拍手が送られた渡辺選手は「会場に入る時にも拍手してくれてたり帰りも声を掛けてくれたり、新潟は良いブースター(=ファン)が多い」と感謝の言葉を口にした。