Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月29日、秋田ノーザンハピネッツ(以下、秋田)と対戦した。
「ディフェンスから」という姿勢を示すプレーも見せた広瀬健太選手
今季3度目の対戦となった両チーム。戦績は1勝1敗ではあったものの、得失点差で大差を付けられているほか、同地区で順位を争う関係であることから「プレーオフのつもりで」(広瀬健太選手)臨んだ。
立ち上がりは、石井講祐選手のシュートで先制したほか、強みであるオフェンスリバウンドやインサイドへのアタックから得点を重ねる。秋田の守りにシュートを打てずに攻撃が終わるなど一時7点のリードを許すが、リバウンドからの速攻、ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手のブザービーターとなる3ポイント(P)シュートで18-19と競る。
第2クオーター(Q)は最初のディフェンスで秋田のミスを誘ったほかリバウンドで強さを見せるも、シュートを決め切れず拮抗(きっこう)した展開が続く。同Qのオフィシャルタイムアウトで「スクリーンを掛ける位置と、掛ける選手を指定」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))すると、そのスクリーンを利用して盛實海翔(もりざね・かいと)選手が連続得点を挙げ一歩前に出る。
35-33とリードして迎えた後半だったが、最初の攻撃をミスから入ると連続で得点を許す。前半からシュート確率が上がらないなか、「秋田のディフェンスに少しずつタイミングが狂わされた」(伊佐HC)とオフェンスが停滞。加えて、「悪いオフェンスを引きずって秋田のテンポでディフェンスをするようになり集中力が切れたのかな」(伊佐HC)とリバウンドも取れず、2・3度連続で秋田にオフェンスリバウンドを許し得点につなげられる場面もあったが、伊佐HCは「ファウルでも良いのでゲームを止めるべきだった」と振り返った。2桁リードを奪われるなか広瀬健太選手は、「ディフェンスからやらなきゃいけないという自分たちのベースを、全員に伝わるようなプレーができたら」と、途中出場した直後にディフェンスで秋田のミスを誘ったほか、ルーズボールに飛び込むハッスルプレーも見せた。
最終Qは、「テンポを上げたい」と機動力のあるビッグマンの西野曜選手とマックス・ヒサタケ選手をスタートで起用し、立ち上がりでミスを誘う好守から得点を挙げたが、「秋田がアジャストして、そこまでミスは誘発できなかった」(伊佐HC)と流れを引き寄せることができず、52-72で敗れた。
72失点とロースコアに抑え「自分達らしいディフェンスができていた時間帯もあった」と伊佐HCと広瀬選手は一定の評価は示したが、「悪いオフェンスから走られたり、ディフェンスを組む前に秋田のテンポで攻撃されたりしたので、秋田はしっかりオフェンスができていた」と伊佐HCは続けた。
「力が足りず完全に負けてしまった」と振り返った広瀬選手。ここ数試合は得点が伸び悩み敗れる試合が散見するが、「シュートが入れば勝つという展開になりがちだが、入らなくても辛抱強くプレーする所などは見直さないといけない」と自身の考えを示した。
エースのライアン・ケリー選手を欠くなか、プレータイムが伸びているマカドゥ選手、ジョシュ・ハレルソン選手の疲労感は拭えなかった。伊佐HCも「間違いない」と認め、広瀬選手は「彼らが縁の下の力持ちで支え続けてくれている。日本人選手が思い切ってプレーしたりスマートにプレーしたり、状況に合わせてやっていかないと」と話した。
現在、15勝9敗で地区6位に位置しているSR渋谷。シーズンは前半ではあるが、今月は4連敗もあり苦しい状況が続いている。広瀬選手は「ここで辛抱しないと後半戦戦えないし、ここを乗り切って一皮でも二皮でも剥ければ後半戦に向けて大きな財産になる。難しいシチュエーションを全員で声を掛け合って、『誰か』ではなく『自分たち』のせい・結果と受け止めてやり続けたい」と前を向く。
シーズン中ではあるが、今年最後の試合となったこの日。広瀬選手は「今年はあっという間に過ぎ去った感じがしている。2022年もボーっとしているとあっという間に過ぎてしまうので、1日、1試合、1秒を大切に取り組んでいきたい」と話した。
SR渋谷は次節、1月2日・3日にアウェーで新潟アルビレックスBBと対戦する。