渋谷在住のシンガー・ソングライター、横沢ローラさんが制作したクリスマスソングを無料でシェアするプロジェクト「#シブヤクリスマスキャロル」が、今年もクリスマス本番を控えてスタートした。
観光案内所などで無料配布する「オリジナルクリスマスカード(7種類)」
渋谷・キャットストリート沿いの複合施設「渋谷キャスト」(渋谷区渋谷1)13階にある共同コミュニティー「Cift(シフト)」で暮らしながら、音楽活動を行う横沢さん。バークリー音楽大学卒業後、シンガー・ソングライターとしてソロ活動するほか、ユニット「オノマトペル」として、各地の伝承文化、民話、寓話(ぐうわ)などから着想を得た音楽づくりを行い、全国各地でライブ活動を続けている。
昨年、新型コロナ感染拡大に伴い「おうちクリスマス」が叫ばれる中、「友人や家族と会えず一人でクリスマスを過ごす人もいるかもしれない。そんな人に向けてクリスマスソングを届け、皆で少しずつ幸せになろう」という横沢さんの強い思いから同プロジェクトをスタート。渋谷キャストや渋谷区観光協会の協力を得て、「渋谷」を舞台にした物語を5曲のオリジナルソングにしたためたミニアルバム「Shibuya Christmas Carols(シブヤクリスマスキャロル)」を発表し、曲の世界観に合わせて描いたクリスマスカードと一緒に無料配布を行った。横沢さんは「曲を聞いた人から、『すてきな企画をありがとう』とメールでメッセージを頂くなどうれしい反響もあったが、定着していくためには一度だけじゃ駄目。毎年続けることで、渋谷のクリスマスソングを作っている人だと知ってもらえる」といい、恒例企画としてプロジェクトを継続していくことを決めたという。
2回目となる今年は「(コロナ禍から)新しいスタートが始まる」という思いを込めて「The Start.」をテーマとし、クリスマスソングを新たに2曲制作。テーマや楽曲制作に当たり、11月ごろから渋谷で暮らす人や働く人、渋谷の再開発などに関わる人たち約20人に1、2時間程度のインタビューを行い、そこから出てきたキーワードや思いをテーマや楽曲として落とし込んでいったという。
新しく制作した1曲目の「My Theater」は劇場をイメージし、緞帳が上がった先に広場が広がり、そこでガレージセールや炊き出しをしてクリスマスを過ごす人々が集まっている。2年間止まっていた日常が劇場として動き出すという、希望が見えてきたコロナ終息を願う物語。2曲目「Stay Cozy For The Christmas Night」は、身近な人たちと温かい火にあたりながら、大切な人、星になった人を思いながら、大聖堂で人々が声を重ね合い歌っているイメージの物語となっているという。
「昨年は『おうちクリスマスで落ち込まずにいこうよ』だったが、今年は『みんな一緒に未来にワクワクしよう、新しい始まりだよ』という感じ。これから毎年1、2曲ずつ、その年その年の渋谷を切り取ったクリスマスソングを増やしていきたい」と横沢さん。
新曲2曲を含む計7曲の渋谷のクリスマスソングは、特設サイトから無料ダウンロードできるほか、横沢さん自らがイラストを描いた7種類のオリジナルクリスマスカード裏面のQRコードからもアクセス可能。クリスマスカードは渋谷駅ハチ公前広場の観光案内所「SHIBU HACHI BOX」や渋谷キャスト、「ダブルトール・コーヒーバー渋谷cocoti店」などで無料配布する。今月25日まで。
今月19日には、渋谷キャスト・ガーデン(屋外広場)で、同プロジェクトのクリスマスソングを生演奏するクリスマス無料ライブ「Shibuya Christmas Carols LIVE!」も開催。公演時間は13時、14時、15時、各20分。