渋谷区とうどんチェーン「丸亀製麺」などを展開するトリドールホールディングス(渋谷区道玄坂1)が12月3日、災害時における食の緊急支援に関する協定を締結した。
災害時に、区の要請を受けて同社が運用する「丸亀製麺」のキッチンカーを避難所などに派遣しうどんを提供すると同時に、渋谷区内で営業する「丸亀製麺」3店舗で被災者らにうどんの提供を行うもの。
区として外食事業社との協定ならびに、食事支援を受ける初の協定となる。同社は北海道・美瑛町と徳島県と包括連携を結んでいるが、防災関連で自治体と協定を結ぶのは初めて。同社が2019年に渋谷ソラスタ(道玄坂1)に本社を移転したことをきっかけに提携に至ったという。
「丸亀製麺」のキッチンカーは2019年に運用を始め、現在は2台を保有。麺切機やゆで釜、麺の熟成庫、冷蔵庫、天ぷらを揚げるフライヤーなど「店に近い」味を提供できる設備を備えている。水道・電気の設備が無い場所での営業時で、最低200食を提供できる食材や水などを積める。行政や学校、自治体などの依頼を受けて行ううどん教室をメインに展開しているほか、コロナ禍となった昨年は医療従事者にもうどんを届けている。
キッチンカーで作られたうどんを実食した長谷部区長は「本当にできたて、店で食べるのと同じでおいしい。その場で調理された温かいものを食べられるのはすごくありがたいしほっこりするのでは。いざというとき、避難所にキッチンカーが来るのは地域の方への安心感などにもつながると思う」と期待を込めた。
同社は併せて、夏季に販売した「こどもうどん弁当」の売り上げの一部を、社会福祉法人渋谷区社会福祉協議会の子ども基金に寄付。同社は9月から区内の放課後クラブで食育の授業をするなどしているが、今後も「こども食堂」への支援、食育の提供などの強化も図っていく。