渋谷駅東口、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)と青山通りの間に位置する「渋谷二丁目17地区第一種市街地再開発事業」の新築ビルが12月1日に着工する。
渋谷ヒカリエ2階の貫通通路を表参道側に抜けた先に位置していたビル4棟(シオノギ渋谷ビル(1980年)、渋谷アイビスビル(1961年、1984年増築)、渋谷東宝ビル(1971年築)、太陽生命渋谷ビル(1968年築))を一体的に建て替え、新たな「にぎわいの拠点」を目指すと共に、渋谷駅周辺の回遊性向上を図るもの。
坂道の中腹に位置する同エリアは、渋谷クロスタワーや青山学院方面に向かうためには既存4棟を迂回(うかい)する必要があったことや、商業店舗や広場空間などが不足し「にぎわいを感じられない」などの課題があった。
2017(平成29)年に渋谷二丁目17地区市街地再開発準備組合を設立し、2019年1月に都市計画決定を告示。同8月に都から許可を得て渋谷二丁目17地区市街地再開発組合を設立。昨年8月に権利変換計画の認可を得て、同12月から既存建物の解体工事を進めてきた。施工者となる再開発組合の構成員は、塩野義製薬、南塚産業、NANZUKA、東宝、太陽生命保険、東急電鉄の6社。
新築工事期間中となる12月~2022年9月(予定)には、「渋谷二丁目アートプロジェクト」と題し現地仮囲いにアート作品を掲出することで、「建設現場の彩り」や渋谷のまちの魅力向上に貢献する。アートギャラリーの運営などを手掛けるNANZUKAが会員として所属する一般社団法人日本現代美術商協会と協働し、「都市の移り変わり」をテーマに選んだアーティスト8人の作品を掲出する。
施行する敷地面積は約3460平方メートル。新築するビルは地下4階、地上23階建てで、延べ床面積は4万4500平方メートル。高さは約120メートルで、246号線を挟んで対面に位置する渋谷クロスタワーとほぼ同等の高さになるという。
事業コンセプトは「TSUNAGI-BA」で、街と街、街と人などを「つなぐ場」を目指す。フロア構成は、地階=駐車場や荷さばき場、地上1~4階=商業店舗、地上5階~23階=オフィス(賃貸面積は約2万3925平方メートル、基準階面積は約1325平方メートル)。
歩行者ネットワークの強化として、渋谷ヒカリエ3階と新築するビル2階をデッキでつなぐとともに、渋谷クロスタワーにつながる歩道橋とも接続。1階~2階に位置するアトリウムにはエスカレーターとエレベーターを設置することで坂道による縦移動の改善を図る。歩行者ネットワークの周辺には植栽などを配する広場を設ける予定で、4カ所(1カ所は屋内アトリウム)合わせて敷地面積の約35%(約1200平方メトール)に当たる広さとなる。
渋谷ヒカリエ側の1~2階は歩行者ネットワーク・広場・店舗を一体的に計画。1階は路面に、2階は歩行者ネットワーク沿いに、それぞれ店舗を配置する。3階にはオフィスエントランスを設けるほか、3・4階にはオフィスワーカーのサポート施設やサービス機能も計画している。
完工・開業は2024年度を予定。総事業費は301億円(2019年発表時)。