Bリーグ・サンロッカーズ渋谷（以下、SR渋谷）が11月13日、広島ドラゴンフライズ（同、広島）と戦い82-69で勝利し連勝を5に伸ばした。

先制の3ポイントシュートなど16得点を挙げたジョシュ・ハレルソン選手

　試合を通してSR渋谷がディフェンス力を発揮したこの日。立ち上がりから関野剛平選手がフルコートでボールマンにプレッシャーを掛けると、3分近く広島に得点を許さず流れを掴む。ベンドラメ礼生選手が前線からプレッシャーを掛けて広島のバイオレーション（時間超過）を誘発したほか、第1クオーター（Q）のラストには、田渡修人選手がミスを誘う好守を見せると、ボールを奪った渡辺竜之佑選手がブザービーターとなるシュートを決め19-15とリードを奪う。

　第2Qも序盤から堅守は続いたが、思うように得点が伸びなかったなか、広瀬健太選手がタフな3ポイント（P）シュートを決めると、伊佐HCは「よく入ったな」と、他のコーチ陣とハイタッチ。その後は、ボールを奪うプレーや広島のミスから得点を重ね、一時2桁のリードを奪った。

　40-32で迎えた後半。ルーズボールに飛び込むハッスルプレーを見せた広瀬選手は、シュートを決められた後のリスタートを早くし速攻を仕掛け、「外してもリバウンドを取ってくれるだろうという信頼関係ができているから強気に行けた」と、体勢を崩しながらもレイアップシュートを決め、チームに勢いを付ける。点差を詰められた中盤には、ジョシュ・ハレルソン選手やマックス・ヒサタケ選手が広島のシュートをブロックし追加点を許さなかったほか、ボールマンへプレッシャーを掛けミスを誘発し得点につなげ、65-48とリードを広げることに成功した。

　最終Q序盤には、攻守で貢献していたハレルソン選手がファウル時の接触で右足を痛めるアクシデントに見舞われる。それでも、田渡選手が広島のビッグマンからリバウンドのボールを奪い取り速攻につなげたり、高橋耕陽選手がリーグ屈指のシューターである広島・辻直人選手をしつこくマークしたりディフェンスの手を緩めなかった。残り2分弱で出場タイムを得た西野曜選手もシュートを決め、SR渋谷は全員得点で勝利を収めた。

　平日の試合もあり9日で5試合とタフなスケジュールとなっているが、伊佐HCは「自分達で約束事を決めて、この5戦をしっかり戦い皆で乗り越えようと話している。選手一人一人がやるべき事を徹底していて、チームが同じ方向を向いている。そこに結果が伴っていてすごく良い」と5連勝を喜ぶ。広瀬選手は、「自分達がやるべき事を積み重ねてきた結果。自分達の持ち味やエナジー出してバスケットができた」とも。

　ディフェンスを「すごく良かった」と評価した伊佐HC。フルコートでプレッシャーを掛けたことで「（広島の選手が）メンタル的に疲弊していったのでは」と分析したほか、「ビッグマンのショウ（スクリーンプレーに対するディフェンスの1つで、ボールマンを牽制する動き）に出る位置・タイミングがすごく良く、それにつながってヘルプの位置などもかみ合ったのでは」と話した。インサイドで強さを見せる外国籍選手にはダブルチームを仕掛ける場面もあったが、「彼ら（＝広島の外国籍選手）のメンタルをコントロールするため、スパイス的に仕掛けた。良さは出ていなかったと思うので成功したかな」とも。

　帰化選手であるトーマス・ケネディ選手にマッチアップし、第3Qまで得点を許さなかった広瀬選手。「彼が乗るとややこしい展開になるので、仕事をしないといけないとは思っていた。剛平がプレッシャーを掛けてチームのトーンをセットしてくれたのでそれに続いた」と振り返る。

　最後まで好守が続いたが、「プレッシャーを掛けた結果、（広島が）疲れて足が動かなくなったり判断が悪くなったりした。うちは、交代をしながらフレッシュな選手がディフェンスを頑張ることができた」とも。広島はターンオーバーが25本とかさんだが、カイル・ミリングHCは「渋谷のプレースタイルとは分かっていたが、フィジカルやタフさに負けた」とその原因に言及した。

　両チームは14日も戦うが、けがをしたハレルソン選手について伊佐HCは「（骨は）折れてはいないようだが、明日どうなるかはまだ分からない」と触れた。広瀬選手は、「連勝するにはまず土曜の試合を勝たないとつながらないという話しはしているなか、土曜は自分達のエナジーを出して戦えているゲームが多い。連勝はあまり気にしていないが、良い流れでバイウイーク迎えられたら」と続けた。