KDDIや東急などが11月9日、「バーチャルシティコンソーシアム」を発足した。
KDDIが開発し、一般社団法人渋谷未来デザインや渋谷区観光協会を中心とした73社で構成する「渋谷5Gエンターテインメントプロジェクト」は、2020年に渋谷区公認のプラットフォーム「バーチャル渋谷」を開設。これまではハロウィーンやクリスマスなどに合わせたイベントを行うなどしてきた。
行政から公認を受けていることから、リアルな街とメタバースが連動した「本格的な街づくり」を行っていきたいと考えるなか、例えば商行為が行われた際のリアル都市との収益分配、「バーチャル住民権」を与え行政サービスを行う際の個人認証に関してなど、「整備しないといけないことがたくさんあるということが分かった」(KDDI中馬和彦さん)と言う。これら「バーチャル渋谷」を運営してきた知見を基に、今後の他都市での類似も出る展開や新規ビジネス・技術開発など、「日本発メタバース」の発展に向け議論・調査研究。ガイドラインの策定や情報発信をすることを目的にコンソーシアムをつくった。
コンソーシアムは、KDDI、渋谷区の外郭団体である一般社団法人渋谷未来デザイン、リアルのまちづくりを行っている東急、みずほリサーチ&テクノロジーズで構成するほか、工学博士であるデジタルハリウッド大学の杉山知之学長、道下剣志郎弁護士などの有識者も参画。オブザーバーとして、経済産業省商務情報政策局コンテンツ産業課と渋谷区が携わる。
今後の活動としては、本年度中は「都市連動型メタバース」の定義や、アバターなどの利権整理とメタバース向けのライセンスの検討など、「渋谷での実例」を中心にガイドライン第1版を制作。2022年度に他都市展開に向けたガイドライン第2版を制作し、2023年度にはマルチプラットホーム間での連携など海外展開も見据えたガイドライン第3版の制作を目指す。