渋谷区は11月、公立保育所全18施設で紙おむつの定額サービスの実証実験を始める。子育て関連の事業を手掛ける「BABY JOB」(大阪市淀川区)と組み、保護者や保育所の負担軽減につなげる。
11月から2カ月にわたり導入するのは、同社が2019年7月にサービスを始めた紙おむつの国内初のサブスク「手ぶら登園」。多くの保育所で保護者が手書きで名前を書いて持参する紙おむつとおしり拭きを園側が一括管理することで、保護者と保育者双方の負担を減らす仕組み。現在、41都道府県、1300以上の保育施設で導入されている。紙おむつのメーカーはユニ・チャームで、「マミーポコ」か「ムーニー」のいずれかの使い放題プラン。月額2,500円~3,000円。「布おむつなどのこだわりがある方は利用しないことも選べる」(同社広報)。
スタートアップ企業や大学などから社会課題を解決する技術やアイデアなどを公募し実証実験を行う事業「Innovation for New Normal from Shibuya」を昨年6月に立ち上げた渋谷区は今回、この取り組みの一環として同サービスを採択した。自治体での導入例はこれまでも奈良市や町田市、現在実証実験中の浦安市などがあり、いずれも実証実験中の紙おむつの料金は同社が負担。渋谷区でも2カ月間は保護者がおむつを無料で利用できる。
自身も「子育て中」だという渋谷区・子ども家庭部保育課の坂路雄課長は「送迎時におむつをロッカーにセッティングしたり、おむつの残り具合を写真に撮って妻と共有したりしていた。そのような手間が少しでも減るのであれば」と、今回の実証実験導入に至った背景を説明。「現場の保育士の負担軽減にもつながれば保育課長としてはうれしい限り」と話す。
区は今後、実証実験を通じて保護者からの意見を募り、導入を検討する。