Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月24日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で宇都宮ブレックス(以下、宇都宮)と戦った。
15得点リバウンド10本をマークしたジェームズ・マイケル・マカドゥ選手
連戦の2日目となったこの日。SR渋谷は2戦目に敗れる試合が続いてるいなか「気を付けていたが」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))、立ち上がりミスからの失点が続き開始1分もしないうちにタイムアウトを要求。伊佐HCが「気迫が全然違うんじゃないか、仕切り直してやっていこう」と話し選手を送り出すと、宇都宮の攻撃を制限時間いっぱい守り切ったり、ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がオフェンスファウルを誘発したり宇都宮の得点を抑えると同時に、強みであるオフェンスリバウンドからの得点で試合を振り出しに戻す。
第2クオーター(Q)には、連続で3ポイント(P)シュートを許し、マカドゥ選手のアタックがオフェンスファウルとなり流れが悪くなりかける。その判定に伊佐HCは審判に抗議しテクニカルファウルを宣告されるが、「ムーさん(=伊佐HC)は、お前たちはプレーに集中しろ、審判にフォーカスするなという意味で出て行ってくれた」(関野剛平選手)と、その意図をくみ取り、「(選手たちが)話し合う時間もあり、一人一人が切り替えられた」(同)と言う。ジョシュ・ハレルソン選手はブロックショット(シュートブロック)を連続で見せたほか、関野選手はベンドラメ礼生選手のインサイドへのアタックからのパスでワイドオープンとなった3Pを確実に沈めた。
38-39と拮抗(きっこう)した展開で迎えた後半。「前半やられた分、仕掛けていこう」(伊佐HC)と、得点を決められてもリスタートを早くし連続でファウルを誘発。それでも、「やりたい放題で、ボールが止まらなかった」(伊佐HC)と宇都宮の中心選手・比江島慎選手を中心に得点を許しビハインドを負うと、「スタミナが一瞬切れた感じがあったことに加え、(点数が)少し離れた時にプレーが雑になり、(ディフェンスの)戻りが一瞬遅れ」(伊佐HC)、59-69と一気に点差を付けられた。伊佐HCは「僕のベンチ(ワーク)の問題。工夫できていれば一桁点差でいけたのかな」と自責する。「我慢ができなかった」と振り返った関野選手は「相手が乗っている時に自分達がミスを増やしさらに乗せてしまった」と、その原因を分析した。
点差を詰められないまま迎えた最終Q終盤は、共に30分程度出場しながらも気を吐いていたマカドゥ選手とハレルソン選手をベンチに下げたSR渋谷。「出ている全員がボールを運べる選手だったので、誰が持ってもクイックスタートでいこうと話していた」(関野選手)と渡辺竜之佑選手や関野選手が速く前線にボールを運びファウルを誘発。マックス・ヒサタケ選手はリバウンドで体を張ったほか、ブロックショットも見せた。74-96と大敗を喫したが、伊佐HCが伝えた「最後まで戦う姿勢」を貫いた。
関野選手はこの日、チームハイとなる15得点をマーク。「周りが作ってくれた」と仲間に感謝を示しつつ、「僕など普段得点を取らない人のシュート確率を挙げ、ディフェンスをつかせることで礼生さん達がもっとのびのびできると思うので頑張っていきたい」と意欲を見せる。大量失点となった点については、「シューター、ビッグマン全部でやられた。一番(勢いに)乗っている選手の守りを強くするなどしないと。全員乗せたら僕たちのディフェンスは全然成功じゃない」とも。
今季は副キャプテンを務めている関野選手。「役職というか、こういう役割に就いたことが無かったので、驚き半分、責任感もついたかな」と言い、「チームのまとまりが欠けた時など、気が付いた時は言うようにしている」と言う。今季は関野選手・渡辺選手・高橋耕陽選手と同級生が3人所属しているが、「まだ若いがルーキーでは無くなっているので、勢いだけでなく考えながらプレーしたい。3人が出た時に流れが悪かったり負けたりしている時は、チームに勢いを与えるくらいの仕事はしていきたい」と話した。
SR渋谷は今月27日にアウェーで群馬クレイグサンダースとのリーグ戦、今月30日~11月1日には佐賀で天皇杯3次ラウンドとタフなスケジュールが続く。