渋谷区公認の配信プラットホーム「バーチャル渋谷」で10月16日から、ハロウィーンフェスティバルが開催される。主催は、KDDI、一般財団法人渋谷区観光協会、一般社団法人渋谷未来デザインを中心に参画企業で組成する渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト。
例年、イベントが開催されていないにもかかわらず、仮装をした多くの人が渋谷に来街するハロウィーン。コロナ禍となった昨年は、来街自粛を要請するとともに、自宅などでもハロウィーンを楽しむ一つの提案として「バーチャル渋谷」でイベントを行い、延べ約40万人が参加したという。
一方で、24時を過ぎた辺りから街への来街者が増えたと言い、路上でのけんかなどが報告されたという。区は今年も警備などを予定しているが、詳細は決まり次第発表する。
長谷部健渋谷区長は「街が少し元気のない状況で、あまり来ないでほしいというメッセージを発信するのは心苦しい所はあるが、安心安全を担保しなくてはいけない、過去のハロウィーンでのことを踏まえると今年のこの対応は致し方ないのかなと感じている」としつつ、「新しい価値などや文化を発信し続けることは渋谷の原動力であり、世界の街と肩を並べるためには新しいことにチャレンジしていかないといけないし、その背中を押していくことが行政の務めだと思う。今年のバーチャルハロウィーンは、面白い内容、コンテンツが増えてきているので、参加していただきながら、バーチャル空間ではあるが渋谷の街の楽しさを感じてもらえたら」と呼び掛ける。
「バーチャル渋谷 au 5Gハロウィーンフェス2021」と題するバーチャルハロウィーンは、「FUN FOR GOOD」(楽しむことで社会貢献)をテーマに、ハロウィーンが渋谷の街を「よくするきっかけ」になるような取り組みを行う。
初日には映画「劇場版 ソードアート・オンライン-プログレッシブ(SAO)-星なき夜のアリア」の世界同時ファンミーティングを開き、キリト役を務める松岡禎丞さんとアスナ役を務める戸松遥さんがアバターで登場しトークを展開。今月30日には、漫画「名探偵コナン」のコミックス100巻記念として、江戸川コナン役・高山みなみさん、安室透役・古谷徹さんのトークイベントを行う。
臨場感のある音やバーチャルでしかできない体験などアップデートを図ったという音楽ライブには、ヒップホップユニット「Creepy Nuts」(24日)、ロックバンド「MY FIRST STORY」(26日)、ダンスボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」(31日)が出演する。28日には、声優のMachicoさんの3Dアバターがカラオケライブを行う。
このほか、「名探偵コナン」の謎解きイベント、1日に1時間のみ空間内に出現するSAOの巨大浮遊物「アインクラッド」を見つける企画、シューティングゲームなどを体験できる「ゲームセンター」なども展開。それぞれ、指定の画像などをハッシュタグと共にSNSで投稿するとプレゼントが当たる。
空間内には期間中、ショップが出店。同イベントに賛同するアニメやアーティストたちのオリジナルグッズを販売。収益の一部は、一般社団法人渋谷未来デザインを通じて渋谷区に還元する。
今年は、リアルとバーチャルの融合体験として、オリジナルアバターで参加することができる仕組みも用意。アバタープラットフォーム「AVATARIUM」と連携し、渋谷区役所や渋谷モディの「au Style」など街なかに設置しているスキャナーで自分の全身を撮影する、またはスマートフォンアプリから、3Dアバターを作ることができる。加えて、SAOや名探偵コナンのキャラクターの衣装をまとったアバターを生成することもできる。
新たな取り組みとして、参加者に対して操作方法やイベント情報の案内などを行うアルバイトのイベントスタッフを配置する。10名ほどを採用するアルバイトは遠隔で働く。
バーチャル以外での関連コンテンツとして、渋谷パルコの「SUPER DOMMUNE」からZ世代のトークライブ(今月17日)やハロウィーンDJイベント(今月30日)などを配信。
参加無料(バーチャルSNS「cluster」への登録が必要)。今月31日まで。