Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月3日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下、名古屋)と戦い93-88で勝利し開幕2連勝を飾った。
開始約2分半得点が決まらない重い立ち上がりとなったほか、ターンオーバー6本とミスも散見した第1クオーター(Q)だったが、名古屋に大量得点を許すことなく拮抗(きっこう)した展開を見せる。第2Qは、立ち上がりから広瀬健太選手が名古屋のパスをカット。盛實海翔(もりざね・かいと)選手もブロックショット(シュートブロック)や体を張ったプレーを見せたほか、終盤には関野剛平選手がオフェンスファウルを誘発するなど好守が見られた。オフェンスでは、盛實選手、広瀬選手、「違和感のある箇所がある」ことから出場を見送ったライアン・ケリー選手に代わりプレータイムを得た西野曜選手らの3ポイント(P)シュートが高確率で決まるなど32得点を挙げ、49-32とリードし前半を終える。中でも石井講祐選手は、3Pを決めた本数が個人通算400本を突破した。
前半を「自分達のバスケットができたという意味ではほぼパーフェクトだった」と評価した伊佐HC。前日から「話していた」と言う「ボールを左右に動かすことをしっかり表現できたことがいいシュートにつながったのでは」と大量得点の要因を挙げた。
しかし、昨シーズンから課題であった後半の立ち上がり。前半抑えることができていた名古屋の3Pを抑えきれず、5点差に詰め寄られたタイミングで伊佐HCはタイムアウトを要求。「名古屋に合わせるようにのらりくらりとしていたので、自分たちで蒔いた種は自分たちで修正しろ」と伝えたという。タイムアウト明けには、名古屋の得点ペースを抑えたほか、インサイドへのアタックでファウルを誘発し得たフリースローを高確率で決めるなど、74-67と再び点差を広げることに成功。最終Qは序盤や後半など点差を詰められる場面が見られたが、そのたびに「自分が決めることでチームがまたぐいっと上がると思った」と、ジョシュ・ハレルソン選手が3Pを沈め名古屋に逆転を許さなかった。伊佐HCは「ビッグショットだった」と称えた。
点差を詰められながらも勝利を収めたこの日。伊佐HCは「僕がタイムアウトを取らずに、選手が自分達でゲームを戻し勝ちきったことは良い経験だった。こういう試合を多くできたら」と期待を込めた。ベンドラメ礼生選手は、「流れが悪い時にタイムアウトを取るのは簡単だが数に限りがある。練習中から、ボールが外に出た時などに集まって問題点を話し合うことを心掛けている。そうすることでコート上で修正する力はより強くなると思うので、一人一人がハドルの大切さを意識できるようにしたい」とも。
ハレルソン選手は3P4本を含む16得点をマーク。「ロイヤリティー(忠誠・愛着)を大切にしていて、チームを変えるのはあまり好きではない」と言うなか、選手・コーチともに「知っている人も多かった」ことに加え、「求められていることが明確だった」ことから4季ぶりにSR渋谷に復帰。役割の一つとなるのがSR渋谷の課題の一つであるディフェンスリバウンド。「正しいポジション、タイミングで取りに行くこと、戦う姿勢が大事」とポイントを挙げ、「(日本でプレーしてきた)5シーズンで体現してきたことで、強みであると分かっている」と自信をうかがわせた。
SR渋谷のファンに向け、「SR渋谷はディフェンスマインドのチームで、自分もディフェンスはプライドをもってやる。タレントもそろっているので、どれくらいチームが前進できるか楽しみでわくわくしている。チャンピオンシップ出場が見えているチームなので、会場に足を運んで応援してもらえたら」と呼び掛ける。
SR渋谷は次節今月9日・10日も同所で秋田ノーザンハピネッツと戦う。