Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が9月12日、2021-22シーズンの新体制を公式ユーチューブで発表した。
6シーズン目の開幕を控えるBリーグ。A東京は22チームで構成するB1に属し、昨シーズンの王者である千葉ジェッツらと同じ東地区で戦う。今季は、東京オリンピックに出場した日本代表の田中大貴選手や、昨シーズン「新人賞ベスト5」に選ばれた小酒部泰暉(おさかべ・たいき)選手ら契約を更新した9選手に加え、昨シーズンのチャンピオンシップMVPに選ばれたセバスチャン・サイズ選手、帰化選手のライアン・ロシター選手ら4選手が新たに入団した。
昨シーズンはBリーグ開幕以降初めてチャンピオンシップ進出を逃したA東京。クラブを運営するトヨタアルバルク東京(文京区)の林邦彦社長は「一番苦しいシーズンであったと思う」と表現。昨シーズンは新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、新規ビザの取得が難しく、新加入の外国籍選手の合流がシーズン開幕後となり「チーム構築不足」となり、けが人も相次いだ。そのため、今季はビザ取得済みの外国籍選手取得に注力したほか、けが人が出てもチーム力が低下しないよう選手編成の構築構築を図ったという。
加えて、昨シーズンからリーグの規定が変わり、外国籍選手2人と帰化選手またはアジア枠選手1人が同時にプレーすることができるようになったなか、昨シーズンの上位4チームの内3チームが帰化選手を有していたことなどを踏まえ、A東京として初めて帰化選手となるロシター選手を獲得した。昨シーズンから契約継続交渉をしていながらも退団した選手もいたが、恋塚唯ゼネラルマネジャーは、「ベストな布陣が組めたと思う」と手応えをうかがわせた。
ロシター選手は「その時々のニーズに合わせて正しいプレーの選択、勝利を優先して持ち味を発揮して勝利につなげられたら」と話し、サイズ選手は「高いエネルギーで戦うこと、好守のリバウンドが一番の武器」と自己アピール。名古屋ダイヤモンドドルフィンズから移籍した安藤周人選手は、得意とする3ポイントシュートの確率を上げることや、「泥臭いプレーもどんどんやってチームを盛り上げたい」と意欲を見せた。昨シーズン、B2・仙台89ERSに期限付き移籍していた笹倉怜寿選手は「成長した姿を見せられることをワクワクしている」とA東京復帰を喜び、「状況に関係なく、エナジーを与え続けられたら」と続けた。
「DRIVE TO TOP」をスローガンに「王者奪還」に挑む今季、キャプテンを務めるのは前身のトヨタアルバルク東京から在籍9シーズン目となる田中大貴選手。自身もけがで離脱する期間があったことに触れつつ、「昨シーズンの結果が自分の中で大きかった」と言い、「終わったことは取り返せないが、悔しい思いを全て背負って今シーズンにぶつけたいという思いがあり、(キャプテンを)やらせてほしいと自分から言った。強い覚悟をもって今シーズンを戦うつもりでいる」と力を込めた。「(A東京は)結果をすごく求められるクラブ」と自負し、「皆で優勝を目指して戦っていけたら」と意気込んだ。
2022-23シーズンから国立代々木第一体育館をホームアリーナにすることが決まっているなか、今季は2月の千葉ジェッツ戦を同所で行うことも明らかにした。
その後行われたファンフェスタでは、2チームに分かれてのストラックアウトや卓球対決を行ったほか、チアリーダーのパフォーマンスも披露。最後にはイベントを視聴したファンからの質問にも答えたが、安藤選手から「結構願望はあるのか」と聞かれた田中選手は、「結婚はタイミングなので、求めるものじゃない」としつつ、「そろそろ30歳なので、結婚したいですね」とこぼした。オフには同窓の後輩であるザック・バランスキー選手が結婚したが、「90%おめでとう、10%先に行くな」とも。
A東京は9月30日に他チームに先駆けて琉球ゴールデンキングスと開幕戦を迎えるが、今月19日にはサンロッカーズ渋谷とプレシーズンマッチを予定している。