渋谷パルコ(渋谷区宇田川町)5階に9月10日、アウトドアゾーン「PARCO OUTDOOR PARK」がオープンした。
キャンプ用品とファッションなどを組み合わせて提案するデンマーク発「NORDISK」のコンセプトショップ
体験価値が高くテーマ性がはっきりしたフロア・店でないと「(消費者は)買いに来ない」と考えたなか、ライフスタイルの変化に伴う「アウトドア市場の更なる成長」を捉え展開する同フロア。同館には音楽やアート、フードなど「趣味や遊び方に関心の高い方」の来店が多いといい、アウトドアもその延長で使われていることに加え、若手ブランドやコンセプトを絞ったブランドやショップも増えてきていることもあり、「都心ならではの新しいゾーンとして見いだせるのでは」と企画した。
展開する5階はレディスアパレルやセレクトショップを展開していたフロアとなる。ライトユーザーのファミリー層などの取り込みも図り、「Nintendo TOKYO」などが出店する6階からの回遊も見込み同階に設置した。売り場面積はフロアの半分程度となる約700平方メートルで、8区画(ポップアップスペース2カ所)で構成する。共用通路にはイラストレーターJUN OSONさん描き下ろしのイラストを掲出している。
郊外モールとは違うかたちの「今までにないアウトドアゾーンをつくりたい」と考えるなか、「希少性」を意識し店舗をリーシングしたという。1914(大正3)年創業のアウトドアブランド「ogawa」は、都内の商業施設に初出店となる直営店「ogawa GRAND lodge」を出店。同店は床にはキャンプ場を思わせるカーペットを敷いた空間で、テントも実際に張って展示。コットン生地でリビングと寝室を作れる2ルームの「アポロンT/C」など20種類以上展開するテントを中心に、コロナ禍で「おうち時間」に使用する人もいるという椅子、寝袋、カトラリー類などの用品をそろえる。
デンマーク発のアウトドアブランド「NORDISK(ノルディスク)」は、国内3店舗目となるブランドコンセプトストア「NORDISK CAMP SUPPLY STORE」を、商業施設内に初出店した。ノルディスクは30~40代がメインの客層であるなか、コンセプトショップでは、キャンプ用品とファッションを組み合わせて提案していることから、感度の高い人や20代など若年層にも「響くのでは」と渋谷パルコへの出店を決めたという。
ノルディスクのアイテムは、コットン幕で内部中央にポールを1本立てる「ワンポール式」で設営も手軽な「アスガルド」など張って展示するテントや寝袋などをそろえる。そのほか、ガレージブランド「ハーフトラックプロダクツ」、NYのアウトドアストア「BEST MADE」、ファッションアイテムは、日本におけるリテールパートナーとして、コンセプトストアの展開を手掛けるOPEN YOUR EYES(猿楽町)の自社アパレルブランド「F/CE.(エフシーイー)」などを取り扱い、計20ブランド以上を扱う。
2010年にアメリカで誕生したアウトドアブランド「POLeR(ポーラー)」は常設店を初出店。アウトドアを軸に、サーファー、スケーター、スノーボーダーなどのライフスタイルをミックスしたアパレルやギアなどを展開している。半年ほどの限定出店となるアウトドアアパレル「L.L.Bean」は、ラグやブランケットなどECのみで展開しているホームグッズを同店限定で店頭でも扱う。
ポップアップスペースには2カ所設置。オープン時には、水を吸わない繊維のポリプロピレンのロープで作るトルコのサンダルブランド「BOHONOMAD(ボホノマド)」などが出店(今月23日まで)。
今後は、屋上広場でフェス型のイベントなども行っていく予定。
渋谷パルコの営業課長で同フロアのリーシング責任者である平松さんは「都心はいろいろな楽しい要素が集まっているが、アウトドアも音楽やファッションなどのように、趣味・関心の一つに定着して定期的に寄ってもらえる場所になれば。街の中にあるアウトドアブランドのショップと連動して使ってもらいたい。地下には駐車場もあるので車で渋谷に来る要素も増やしたい」と意欲を見せる。売り上げ目標は非公表だが「館全体を押し上げる効果につなげられたら」とも。
現在の営業時間は11時~20時。