Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が9月12日、富山グラウジーズ(同、富山)とプレシーズンマッチを戦った。
今月末の開幕に向けた練習試合で、前日の11日からの連戦となった。今回、キャプテンのベンドラメ礼生選手が家庭の事情で帯同しなかったほか、広瀬健太選手も出場はせず10選手で挑んだ。対する富山も外国籍選手などを欠いた中での戦いとなった。
伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は勝敗にはこだわらず、「強度の高いディフェンス」「課題のディフェンスリバウンドを取りきる」「ターンオーバーを極力減らすこと」をテーマに掲げたという。
試合はミスからの失点で先制を許すも、ミスマッチを生かしたインサイドへのアタックやリバウンドからの速攻で得点を重ね一時7点リードを奪う。第1クオーター(Q)後半から富山がゾーンディフェンスを敷くと得点はペースダウンしたが、4点リードで第2Qに突入。最初の攻撃でルーキーの西野曜選手が強気なアタックで得点を挙げる。今季加入した高橋耕陽選手は3ポイント(P)シュートを決めた直後に好守を見せたほか、富山のゾーンディフェンスの空いたスポットに飛び込みシュートを狙うなど積極性を見せた。ミスや速攻からの失点もあり一時逆転を許すが、マカドゥ選手にボールを集め得点を重ね同点で前半を折り返す。
第3Q序盤には石井講祐選手が連続で得意の3Pを決めたほか、中盤にはライアン・ケリー選手や高橋選手らがインサイドで得点を重ね再びリードを奪う。それでも富山のゾーンディフェンスに3分近く加点できず、56-57で最終Qを迎えた。互いに得点が伸び悩むが、SR渋谷はワイドオープンのシュートを決め切れない状況が続き、中盤以降4分30秒近く得点が止まると、富山に連続得点を許し、67-75で敗戦となった。
試合後、「課題も見つかったのは良かった」と話した伊佐HC。ゾーンオフェンスについては練習を「全くしていない」ことから、「はまってしまった」と振り返る。ディフェンス面では裏を突かれインサイドにアタックされるシーンが散見したが、「ボールプレッシャーの質が全然なのと、スコアリングエリア外も(マークマンを)追っ掛けさせているので、裏をかかれないように守らないといけない。リング下に誰もいないケースが何回かあったが、それは言い訳なしにポジショニングが悪い」と指摘した。パスミスなどについては「気を配れば無くせるミスはあるので、見つめ直したい」とも。
この日は、タイムアウト時に伊佐HCではなくカイル・ベイリーアシスタントコーチが指示を出していたが、「(僕は)試合前にいろいろ話はしているので。違う志向のコーチがデザインするのが、チームとしてもカイルコーチとしてもいいシミュレーションになるのではと思った」と意図を説明した。
試合を通してインサイドで強さを見せたマカドゥ選手はこの日、24得点をマーク。昨シーズンは新型コロナの影響でチームへの合流が遅れたが、今季は7月末に来日し「早い段階で合流しチームメートととてもハードに練習をしている」と充実した様子を見せ、「自分がこのチームにどれだけ溶け込んでマッチできるかが非常に大事になってくる」と考える。現在は、昨シーズンから練習を重ねている「フリースローの確率を上げること」や、「ゴール下での得点の確率を上げること」、出場する際には「必ず自分のベストを尽くして高いレベルでプレーできるように準備したい」とコンディショニングにも取り組んでいるという。
今季SR渋谷に復帰したジョシュ・ハレルソン選手については「センターもフォワードもできるプレースタイルなので、彼から学んで良い経験を得ている」と言い、ハレルソン選手やケリー選手はアウトサイドのプレーも得意としていることから、「2人と出ている時は、(自身がインサイドで)アタックできるスペースができるので有効的なのでは」と続けた。
迫る開幕に向け、「SR渋谷の素晴らしいファンの皆さん、試合会場でお会いできるのをとても楽しみにしている。昨シーズンはチャンピオンシップに出場できたことはうれしかったが、終わり方は望んでいたものとは全く違った。リベンジでいるように取り組むので、応援に来て」と呼び掛ける。
SR渋谷は今月19日にアルバルク東京と練習試合を予定。10月2日・3日に開幕戦をホーム・青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で迎える。