東急プラザ渋谷(渋谷区道玄坂1)2階に9月5日、「世界一小さな美術館@GMO デジタル・ハチ公」がオープンする。
同施設が入居する渋谷フクラスに第2本社を構えるGMOインターネットグループが、待ち合わせスポット「GMOデジタル・ハチ公」をリニューアルする同所。
会長兼社長・グループ代表の熊谷正寿さんはかねて、英アーティストのジュリアン・オピーさんの作品など現代アートを個人で収集。社員が「感性を磨く機会をつくる」ため、オフィス内に所有する作品を展示するなどしてきたが、「より多くの方に本物のアートを身近に体験していただきたい」と美術館をつくった。「GMOデジタル・ハチ公」時から同所に設置している、ホログラムディスプレー技術を取り入れた「デジタル・ハチ公」は引き続き設置する。
展示スペースは約27平方メートル。壁2面は220インチのディスプレーになっているほか、ロールスクリーンも設置。ソニーの空間音響技術「Sonic Surf VR(SSVR)」を導入し、立ち位置によって聞こえるナレーションの言語(日本語・英語)が異なるようになっている。
オープニングは「Banksy Artworks from Masatoshi Kumagai Collection(バンクシー展)」と題し、覆面のストリートアーティスト、バンクシーさんの代表作「風船と少女(Girl with Balloon)」(高さ70センチ×幅50センチ)を展示する。風で飛んでいく赤いハート型の風船に向かって手を伸ばしている少女を描いた同作は2002年に英ロンドンで発表されて以降、社会情勢を反映しながらさまざまなバージョンが描かれてきたことでも知られる。今回展示するのは、2004年に制作された150点のうちの一枚(エディション42)で、関係者への販売時に入れられるハートマーク付きのサインが入っている。
会場では、同作のシリーズが掛けられた2018年のオークションで、落札直後に作品を断裁したシュレッダー付きのフレームに「極限まで」近づけたフレームを付けて展示する。フレームは、3Dプリンターなどを使い模様や厚み・色味などの再現を図った。
同展では鑑賞者が入場後、ロールスクリーン3面でバンクシーさんや作品に関する解説などを上映。その後、ロールスクリーンが上がり作品が姿を現す。ディスプレー一面では、作品にも描かれている赤いハート型の風船を映し、作品と同じような構図で写真を撮れるようにする。
開館時間は11時~20時(20分入れ替え制)。事前予約制で、入館料は、一般・大学生=300円、小学・中学・高校生=100円、未就学児無料ほか。終了日は未定。今後は、熊谷さんのコレクションを入れ替えながら展示していく予定。