「サン宝石ファンシーポケット原宿店」（渋谷区神宮前1）が9月26日、閉店する。

　1965（昭和40）年創業のサン宝石（山梨県）が展開する「サン宝石（通称・サンホ）」は、アクセサリーを中心に文房具屋雑貨やアパレル商品などを展開するブランド。貴金属の通信販売を展開していたが、1971（昭和46）年に子ども向けの通信販売を開始していた。

　商品は1円から用意するプチプライスが特徴で、少女漫画雑誌に広告（注文ページ）を掲出するなど小中学生にも知られている。2010（平成22）年には、しずくのような形のシリコンの「ぷにぷに」触感で、リボンを付け目や頬はストーンで表現するオリジナルキャラクター「ほっぺちゃん」を発売。専門店を展開（現在は閉店）するなど人気を博した。

　原宿店は2002（平成14）年に1号店として竹下通りにオープンし、エリア内で移転しながら営業を続けてきた。「ファンシーポケット」はかねて44店舗を展開していたが、実店舗は現在、原宿店のみとなっていた。今月2日から閉店セールを行う。

　営業時間は11時～18時（土曜・日曜・祝日は10時～18時）。火曜・水曜定休。

　帝国データバンクによると、同社は8月27日、甲府地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。負債額は約21億7,000万円。同社は「ほっぺちゃん」の人気もあり、2013（平成25）年9月期には年売上高約42億6400万円を計上していたが、「人気に陰りが見え始めた」ことや、100円ショップなど同業他社との競合で売り上げが低迷し直営店を順次閉鎖したため、2016（平成28）年9月期の年売上高は約21億円に減少。インターネット主体の販売への転換を図ってきたが、2019年9月期の年売上高は約8億1600万円とさらに減少したことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大で、2020年9月期の年売上高は約4億9100万円にとどまり、「急激な収益悪化により資金繰りが限界に達した」。現在、現在スポンサー候補先への打診を始めているという。