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広尾の日本画専門美術館「山種美術館」で速水御舟・吉田善彦の師弟特別展

修復後初めて公開する速水御舟の「和蘭陀菊図」

修復後初めて公開する速水御舟の「和蘭陀菊図」

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 広尾の日本画専門美術館・山種美術館(渋谷区広尾3、TEL 03-5777-8600)で9月9日、日本画家・速水御舟(ぎょしゅう)とその弟子の吉田善彦(よしひこ)に焦点を当てる開館55周年記念特別展が始まる。

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 大正から昭和を駆け抜けた速水(1984-1935)は、古典を基礎に新たな作風や技法に挑み、40年間の生涯で700点余りの作品を残したが、その多くが秘蔵され「幻の画家」といわれていたという。同館では、1976(昭和51)年に旧安宅コレクションの速水御舟作品105点を一括購入するなど、多くの作品を所蔵。同館のコレクションの「顔」ともいえる作家だという。吉田(1912-2001) は1929(昭和4)年、姻戚関係の速水に師事し写生や古画の模写、作画姿勢を学んだという。

 「速水御舟と吉田善彦―師弟による超絶技巧の競演―」と題する同展は、速水と吉田が生み出した「超絶技巧」による作品を紹介する。展示数は約60点。

 速水の作品は、近年の調査で西洋の顔料を使っていた事実が判明したという「和蘭陀菊図」(1931年)を修復後初めて公開する。このほか、大正14(1925)年の7月~9月に家族で滞在した軽井沢での取材をもとに描いた作品で、たいたたき火に群がるガを写生したり、採集したガを室内で写生したりした重要文化財の「炎舞」(1925年)、同じく重要文化財で金砂子を地一面に使う「まきつぶし」を用いたほか白・紅・桃色・紅白絞りで花を表現するなど京都市の昆陽山地蔵院(俗称・椿寺)の古木を描いた「名樹散椿」(1929年」などを展示。

 吉田の作品は22年ぶりに公開する作品7点を含む作品を展示する。金箔(きんぱく)ともみ紙を用いた独自の技法「吉田様式」を初めて用いた「桂垣」(1960年)や、ほか所蔵先から拝借する「大仏殿春雪」(1969年)、「春雪妙義」(1978年)などを展示する。

 会場では、速水と吉田が用いた技法のサンプルと本画を一緒に展示することで、2人の技法の「秘密を明らかにする」。

 現在の開館時間は10時~16時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館(9月20日は開館、翌21日が休館)。入館料は一般=1,300円ほか。11月7日まで。

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