東京オリンピック・パラリンピックに向けた渋谷区の文化プログラム「MERRY SMILE SHIBUYA 2020」が8月24日、始まった。主催は渋谷区。企画・運営はNPO法人MERRY PROJECT(港区)。
「東京2020(文化・オリンピアード)」公認プログラムとして、2016(平成28)年から開催されている同イベント。今年は多様な人たちがパフォーマンスなどを展開する。新型コロナウイルスの感染拡大状況を受けてイベントはオンラインでライブ配信。併せて、渋谷区役所15階では展示企画を行う。
オープニングでは盲目のバイオリニスト白井崇陽さんが「アメージンググレイス」を披露するほか、ダウン症の書家・金澤翔子さん、全盲のアコーディオニスト新居(にい)草太さん、区内などで活動するチアダンスチーム「Brilliant☆Mermaid」と渋谷区のPRキャラクター「あいりっすん」らのパフォーマンス、紙芝居師で構成するエンターテインメント集団「渋谷画劇団」によるパラリンピックを題材にした紙芝居、バンド「オフコース」のドラマーJIRO OMAさんと津軽三味線奏者HIRO KUROSAWAさんのユニットTEN-CHI-JINのライブなどを展開。ピープルデザインを掲げるファッションブランド「tenbo」のファッションショーでは、世界33カ国の子どもたちの笑顔をプリントするドレスと共に聖火リレーのトーチも登場する。
フィナーレでは、「MERRY2020ビヨンド宣言」として出演者らが共生社会の実現に向けたメッセージを発信するほか、世界中の子どもたちの顔をプリントする傘を開くパフォーマンスも行う。次回のオリンピック・パラリンピック開催地であるフランス・パリにつなげる思いを込め、「オー・シャンゼリゼ」も披露する予定。
渋谷区役所では「SHIBUYA 2020 GALLERY」と題した展示企画を行う。金澤さんが揮ごうした書や、渋谷区の子どもたちが作った「応援メダル」、渋谷区公認のパブリックデータ「シブヤフォント」のパラスポーツ応援グッズなどを展示。実践女子大学・津田塾大学・帝京短期大学・東海大学など区内の大学など9校との連携企画では、展示だけでなく、自宅でも体験できるコンテンツをオンラインで配信する。
MERRY PROJECT代表の水谷孝次さんは、今回を「これまでの集大成」と位置付け、「オリンピック・パラリンピックは、スポーツだけではなく文化の祭典でもある。オリンピアード(=大会と大会の間4年間)として大切なのは平和を継続させてつなげていくこと。新しい時代のイベントに挑戦し、ニューノーマル・ニューアイデア・ニューテクノロジー・ニューデザインで、笑顔あふれる共生社会の空気をデザインしていきたい」と意欲を見せる。
実施日は8月24日・28日、9月4日・5日。開催時間は、24日=12時~17時、28日=13時30分~18時、9月4日・5日は13時~。渋谷区役所の開館時間は10時~17時。