芥川賞作家・村田沙耶香さんの世界観を現代美術作家とのダイアローグ(対話)によって浮かび上がらせる展覧会が8月20日、表参道「GYRE(ジャイル)」(渋谷区神宮前5)3階のギャラリー「GYRE GALLERY」(TEL 03-3498-6990)で始まった。
1979(昭和54)年千葉県生まれの村田さんは、2003(平成15)年、デビュー作「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞するなどし、2016(平成28)年には、コンビニエンスストアでアルバイトをする主人公の生き方を通して「普通」とは何かを問う「コンビニ人間」で芥川賞を受賞した。
「村田沙耶香のユートピア_〝正常〟の構造と暴力ダイアローグ デヴィッド・シュリグリー ≡ 金氏徹平」と題する同展では、英アーティストのデヴィッド・シュリグリーさん、「コンビニ人間」の書籍のカバーに作品提供したアーティスト金氏徹平さんを迎え、現代社会における未来観(「ユートピア」と「ディストピア」)とは何かを問い掛け、村田さんの小説の中で言及されている「『正常』に潜む社会的暴力性や抑圧」を浮かび上がらせていく。
会場ではシュリグリーさんと金氏さんのドローイングや立体作品に加え、村田さんが学生時代に描いたドローイングや、村田さんの創作ノートも展示。随所に、小説に登場する文章も立体化して掲出している。
現在の開館時間は11時~20時。入場無料。10月17日まで。