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アート展「水の波紋展2021」 青山エリアの空き地など27か所に作品展示

檜皮一彦さんの「hiwadrome type:re〔in-carnation〕」

檜皮一彦さんの「hiwadrome type:re〔in-carnation〕」

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 アート展「水の波紋展 2021」が8月2日、青山キラー通り周辺の空き地や渋谷区役所美竹分庁舎、ワタリウム美術館などで始まった。主催はワタリウム美術館(渋谷区神宮前3)。

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 1995(平成7)年、キュレーターのヤン・フートと同館が協力し、青山エリアや原宿の街なか40カ所に現代美術の作品を設置した「水の波紋95」展。今回は、東京オリンピック・パラリンピックに伴う再開発など「変わろうとしている新旧の街並みの狭間」に作品の展示を試みたという。

 今回は、27カ所に作品を展示する。ビクタースタジオ横の空き地では、江戸野菜を育てる「たねを育てる」(ファブリス・イーベスさん)、マスクを(消毒して)白旗のように掲げる作品で街なかで拾ったマスクをつぎ足し少しずつ大きくしていく「ミッシング・ミッシング・サン」(トモトシさん)を展開。旧港区立児童館奥(三角公園)には四肢に障害のある檜皮一彦さんが車椅子47台などで花をイメージした立体作品「hiwadrome type:re〔in-carnation〕」を展示。

 ワタリウム美術館では、坂本龍一さんとアピチャッポン・ウィーラセタクン(愛称・タムくん)さんのコラボレーション作品、7月に亡くなったクリスチャン・ボルダンスキーさんの追悼を表し代表作「モニュメント」シリーズの1作品などを展示。弓指寛治さんは、山陽堂書店・岡本太郎記念館・ののあおやまで「山の手大空襲」をテーマにした作品を展示している。

 国立競技場から約500メートルの空き地(神宮前3)では、「遊びの場所」をテーマにした7組の作品を展示。EVERYDAY HOLIAY SQUADによる「TIME GATE」は、コインパーキングの看板を使った作品で、コインパーキングの「あいだの時間」としての意味に着目し、コロナ禍や五輪・パラなどの混乱の中で「次の時代の入り口」という位置付けで制作した。アーティストやスケーターなど10代の面々で構成する「TOKYO ZOMBIE」は、工事現場の仮囲いの中に展示空間を設置。「立入禁止」と書かれ閉じられている仮囲いを開けて中に入る仕掛けになっている。

 ストリートスケーターでもある森田貴宏さんは、東京オリンピックでスケートボード競技で日本勢が金メダルなどを獲得したことで「世間のスケートボードに対するまなざしの変化に驚き」作品を変更。会場にはミニサイズのスケートランプを作った。グラフィティーアーティストのバリー・マッギーさんは、同所からしか見えないビルボードに新作を展示するなどしている。

 ワタリウム美術館エントランスに取り付けられている7メートルの「竹箒(ぼうき)」(ホアン・ヨンピン)、旧港区立児童館奥のハサミをかたどった作品「ハーフ・カット」(ビル・ウッドロウさん)、ののあおやまに展示するプレハブ物置の作品「プレファブリケーション」(川俣正さん)、たんこぶをイメージした彫刻物「たんこぶ」(フランツ・ウエスト)など、「水の波紋95」で展示していた作品も点在している。

 開館時間は11時~19時。鑑賞無料(ワタリウム美術館、岡本太郎記念館は有料)。9月5日まで。同展示は、同館が企画運営として携わっている、日本の建築からが制作したパビリオンを展示する「パビリオン・トウキョウ2021」と同時期に開催。展示エリアも近いことから2つの企画を一緒に見ることもできる。

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