渋谷ヒカリエから宮益坂上方面をつなぐ歩行者動線「渋谷ヒカリエ ヒカリエデッキ(以下、ヒカリエデッキ)」が7月15日、開通した。
2012(平成24)年に開業した渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)の一部となるヒカリエデッキは、同施設の北側、東京メトロ銀座線線路上部に位置。宮益坂と並行する全長は約190メートルのデッキとなる。
渋谷ヒカリエ佐野真一総支配人は同日行われたテープカットイベントで、「渋谷ヒカリエの歴史そのものはまだまだ浅いが、ヒカリエデッキの完成をもってヒカリエはさらに大きく羽ばたくことになる。これからヒカリエデッキで多くの皆さまが出会い、思い出を紡ぎ歴史を重ねていくかと思う。今日から皆さんでまた新たな一歩を踏み出したい。将来的には渋谷の街にこのデッキはつながっていくので、ヒカリエデッキから渋谷へ、世界へ、そして未来へ、皆で歩いていきたい」とあいさつ。その後、公募した市民75人(50組)、施設や地域の関係者ら10人の計85人が参加し約140メートルのロングテープカットを行った。
今月18日まで、観客はワイヤレスヘッドホンを通して音楽を聴くDJライブ「サイレント・ミュージックラウンジ」、アートプロジェクトを展開するモントリオール発「MAPP_」とコラボレーションしたデジタルライブペインティング、画家・林宏樹さんによる来街者参加型のワークショップ、金と銀の現代獅子2頭の舞などを展開する。
ヒカリエデッキは同施設の3階と4階に接続する。4階部分(約130メートル)は縦軸動線「アーバン・コア」とつながるほか、渋谷ヒカリエの商業施設「ShinQs」につながる出入り口も設ける。宮益坂上方面の約60メートルは3階に位置し、4階~3階はエスカレーターなどでつなぐ。3階部分は、ShinQsの東側出入り口に接続する東側デッキとつながるほか、宮益坂に抜ける通路も造った。デッキの東端部(表参道側)には駐輪場(33台)を整備するほか、キッチンカーが出店するエリアとなる。宮益坂側には植栽を設け、その縁には腰を掛けることもできるようになっている。
渋谷ヒカリエのアーバン・コア4階の天井面やヒカリエデッキの床面は、舞台照明用のムービングライトを使った光と音の演出を行う(日没~21時、緊急事態宣言中は20時まで)。演出は春夏秋冬、それぞれの季節をイメージしたプログラムと、渋谷ヒカリエをイメージしたプログラムを展開予定。音楽の演出(BGM)は日中の時間帯も行う。
今年の秋ごろには渋谷ヒカリエ北側の外壁にアートの展示を始めるほか、渋谷ヒカリエとの接続部となる4階アーバン・コアに面した店舗区画には渋谷のコミュニティーFM「渋谷のラジオ」(渋谷3)初のサテライトスタジオが入居を控える。
通行可能時間は、3階=24時間、4階=7時30分~21時30分。ヒカリエデッキは2027年以降に整備される、宮益坂から道玄坂まで地上に降りることなく行くことができる歩行者動線「スカイウェイ」の一部でもある。