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渋谷区内に草間彌生さんら芸術家や建築家のパビリオン出現 「パビリオン・トウキョウ」

旧こどもの城前に設置された藤原徹平によるパビリオン「ストリート ガーデン シアター」(撮影:ToLoLo studio)

旧こどもの城前に設置された藤原徹平によるパビリオン「ストリート ガーデン シアター」(撮影:ToLoLo studio)

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 日本人建築家・アーティストが設計したパビリオン(展示館)を国立競技場を中心としたエリアに設置する「パビリオン・トウキョウ2021」が7月1日、始まった。主催は、東京都、公益財団法人東京と歴史文化財団アーツカウンシル東京、実行委員会。企画はワタリウム美術館(渋谷区神宮前3)。

白い空間に来場者がシールを貼る草間彌生さんのインスタレーション「オブリタレーションルーム」

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 オリンピック(五輪)・パラリンピック(パラ)が開催される東京を文化の面から盛り上げる「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の中核事業として実施する、国内外から応募のあった2436件の中から選定された13の企画「Tokyo Tokyo FESTVALスペシャル13」の一つ。当初、昨年開催を予定していたが、東京五輪・パラの延期、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け実施期間を延長していた。

 パビリオンを設計したのは建築家の藤森照信さん、妹島和世さん、藤本壮介さん、石上純也さん、平田晃久さん、藤原徹平さん、アーティストの会田誠さん、草間彌生さんに加え、クリエーター真鍋大度さん+ライゾマティクスが特別参加している。

 広域渋谷圏に設置されているパビリオンは7。キラー通り沿いのビクタースタジオ(神宮前2)前に設置した藤森さんのパビリオンは茶室「五庵」。基壇は芝で覆い、上部の外壁は表面を焼いて炭化した焼杉を使う。2階の茶室に上がると窓から国立競技場が望むことができるようになっている。

 藤本さんは、代々木公園パノラマ広場付近とタカナワゲートウェイ駅改札内に「Cloud Pavilion」を設置。「全ての人のための場所」をコンセプトに、送風機で空気を入れ続けているボール状のバルーンで雲をかたどったパビリオンとなっている。

 国連大学前(神宮前5)前の穴だらけのわんのような形の「Global Bowl」は平田さんの設計で、木材を三次元カットして組み合わせた。穴だらけにすることで通り抜けができるようにした。隣接する旧こどもの城前(神宮前5)には、藤原さんの「ストリート ガーデン シアター」を設置。「演劇のような道」をテーマに設計・構想していたというが、新型コロナウイルス感染症に伴い人を集めることが難しくなり、プランを一新。「路地に植木鉢で作られているような道」に着目し、木組みの道に植木鉢などを装飾。植物を役者に見立て「植物たちの劇場」に仕上げた。パビリオン内には入ることもできる。

 会田さんは、明治神宮外苑のいちょう並木の前の石塁に段ボールとブルーシートの2つの城「東京城」を作った。草間さんが旧渋谷区役第二美竹分庁舎(渋谷1)内で展開する「オブリタレーションルーム」は参加型のインスタレーション。壁や床、設置する家具など全て白に塗った3つの空間に、鑑賞者が入場時に渡されるカラフルなシールを貼り水玉で埋め尽くしていくことで、次第に白い空間を「消滅」させる。

 ワタリウム美術館向かいの空き地には、真鍋さんらの作品を展示。昨春の最初の緊急事態宣言から現在までに収集した、「東京」という言葉が入ったニュースに対するコメントや中止になったイベントの情報などを使い、AI(人工知能)で生成したテキストと画像をディスプレーに表示する。ディスプレーにはレンズを貼ることで、特定の角度から見るとテキストを読むことができるようにした。

 ワタリウム美術館の和多利恵津子館長は「小さくても街と関わることをすることで、五輪の年がみんなにとって別の角度の思い出になれば。もう少し街が変わるようなこと、『事件』が起きたらいいな」と企画を提案したという。

 同館では現在、関連イベントとなる展覧会を開催。参加建築家・アーティスト7人によるパビリオン制作時のプロセス、スケッチや図面、模型、実際に使った素材などを展示するほか、建築家・アーティスト自身が語るそれぞれのパビリオンのコンセプト映像の上映などを行う。

 鑑賞時間は会場により異なる。鑑賞無料(一部のパビリオンは有料、内部入場は事前予約制)。9月5日まで。

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