東京オリンピックなどに向けた強化合宿に参加しているバスケットボール男子日本代表候補の田中大貴選手(アルバルク東京)が6月10日、オンラインでメディアの取材に応じた。
今月3日・4日に年間表彰式を終えシーズンが終了したBリーグ。田中選手が所属するアルバルク東京はBリーグ開幕以降初めてチャンピオンシップ出場を逃す結果となった。田中選手はシーズン後半に自身がけがをしたことに触れつつ、「チームを引っ張らないと行けない立場の自分がチームに迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちが残ったシーズンだった」と振り返る。5月25日から代表合宿に参加しているが、「ターゲットを切り替えて、オリンピックでどういうプレーをしたいか、活躍をしたいかを頭に置いて準備を進めてきている」と言う。
自国開催となる東京オリンピックを「非常に特別なもの」と位置付け、「このチャンスは逃せない」と代表入りに並々ならぬ思いを寄せる田中選手。代表選手として定着してはいるが、リオデジャネイロ五輪に向けた世界最終予選で代表から漏れた経験から「最後の最後まで選ばれるかは分からないので、競争の意識を持ってやらないといけない」と話す。それでも、「選ばれなきゃいけないと思っているし、競争に残ってオリンピックで戦う自信はある」と力を込める。
日本代表は、オリンピックに先駆け今月13日~19日にはフィリピンで行われる「FIBAアジアカップ2021予選」に出場する。Bリーグのシーズンが終了し、チャンピオンシップの決勝を戦った代表候補の選手たちも合宿に合流したなか、「コンディションのところで差があるが、良い緊張感をもって練習できている。まだ(オリンピック出場)メンバーが決まっていないので、皆が競争の意識を持って取り組めていると思う。良い緊張感、競争という意識を持ちながらフィリピンに入り、良い試合ができればその先につながるのかな」とも。
「FIBAアジアカップ2021予選」では、中国、チャイニーズ・タイペイと計3試合を戦う。「(合宿では)ディフェンスに重きを置いてやっているので、一人一人のプレッシャーのかけ方やリバウンド、トランジションディフェンスなど、今やっていることをどれだけ発揮できるかだけ」と話す。中でも中国は「アジアの中でも強豪」と位置付け、「今、自分たちがどれだけできるのか、力を試す良い相手」とも。
同大会に出場する代表候補には田中選手のほか、アルバルク東京からは竹内譲次選手、安藤誓也選手、サンロッカーズ渋谷のベンドラメ礼生選手らも名を連ねている。八村塁選手ら海外でプレーする選手も候補に挙がっているが、出場しない予定となっている。
日本代表は13日に出国しフィリピン到着後は外部との接触を断つ「バブル方式」を取り活動。帰国後は隔離処置を取りながら、今月中旬以降には国内で強化試合を行う予定。