ファッションデザイナー・NIGOさんがデザインした原宿・明治通り沿いの神宮前公衆トイレ(渋谷区神宮前1)の供用が5月31日、始まった。
日本財団(港区)が展開する、建築家らが区内の公衆トイレをリデザインする「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一環。「暗い」「汚い」「臭い」「怖い」などのイメージから入りづらい状況がある公衆トイレを、デザイン・クリエーティブの力を活用し「誰もが快適に使用できる」ようにすることを目指し、昨年から取り組んでいる。
原宿エリアのストリートカルチャーを築き上げた一人でもあるNIGOさんが同エリアで手掛けるトイレのデザインのタイトルは「THE HOUSE」。「高いビルが建ち並び、日比変わりゆく東京とは対照的に、原宿の片隅にひっそりと立つ、古き良き一軒家をイメージ」(NIGOさん)したと言い、白を基調とした三角屋根の外観で、出入り口や飾りの窓枠にミントグリーンを採用。男性用・女性用トイレの上部にはシーリングファンを取り付けている。
個室は、男性用(8.66平方メートル)、だれでもトイレ(バリアフリー、5.30平方メートル)、女性用(5.72平方メートル)各1室。男性用=小便器2つ、ベビーチェア付きの個室1室、女性用=ベビーチェア・フィッティングボード付きの個室1室、だれでもトイレ=オストメイト用設備、ベビーベッド付き。
NIGOさんは、トイレとしての入りやすさと使いやすさを「第一に考えた」としつつ、「世代によって、トイレを使われる方が懐かしくも感じ、新しくも感じていただけるようなデザイン」とコメントを寄せている。
維持・管理は日本財団と区、一般財団法人渋谷区観光協会が協定を結び行っている(2023年まで)。清掃は民間企業に委託し、従来の1日1回(場所によっては2回)だったのを2~3回に増やすなどしている。NIGOさんは、清掃員のユニホームであるジャンプスーツのデザイン監修も行っている。
今後は、6月24日=鍋島松濤公園トイレ(松濤2、隈研吾さん)、7月15日=恵比寿駅西口公衆トイレ(恵比寿南1、佐藤可士和さん)、同16日=代々木八幡公衆トイレ(代々木5、伊藤豊雄さん)、同21日=七号通り公園トイレ(幡ヶ谷2、佐藤カズーさん)、8月見込み=笹塚緑道公衆トイレ(笹塚1、小林純子さん)。残る4カ所は今冬(12月~2022年2月ごろ)完成する予定。