Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が5月10日、レギュラーシーズン最後の試合を千葉ジェッツ(同、千葉)と戦った。
SR渋谷はチャンピオンシップ(CS)出場を決めているが、この日の結果次第でCS初戦の相手が決まる「意味のある試合」(関野剛平選手)だった。伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は「今日の試合を大事に、CSにつながるような試合をしようと話した」という。
試合の立ち上がりは、ボールを奪うプレーからの速攻で先制したほか、得点を決められた後のリスタートを早くするなどチームのスタイルである速い展開に持ち込む場面も見られた。第1クオーター(Q)中盤には途中出場した石井講祐選手とジェームズ・マイケル・マカドゥ選手の連係プレーで得点を重ねたほか、「CSの準備」(伊佐HC)と外国籍選手1人の時間も交えながら戦った。チーム全体でシュート確率が高かった第2Qには、「シューターではないので無理に打つのではなく、空いている時に打って決められるようにしたい」と話す関野選手が、「気持ちがのっていたのかな?(笑い)」と積極的に放った3ポイント(P)シュート2本を確実に決めるなどした。53-50とリードして前半を終えるも、15点許していた千葉のリバウンドから得点を「もう少し減らしていたら10点程度リードできていたのかな」と伊佐HCは振り返った。
「流れが一気に変わった」(伊佐HC)第3Q立ち上がり。ダブルチームを仕掛けボールを奪う好守も見せた一方、「簡単にレイアップシュートを決められ」(同)るなど逆転を許すと同時に、得点が伸び悩み2桁点差を付けられる。伊佐HCも早いタイミングでタイムアウトを取り修正を図るも千葉の流れを断ち切ることができず、同Qで31得点を許す結果となった。「(ディフェンスを)引き締めること無く入ってしまった」と話した関野選手は、「前半は僕たちもオフェンスは悪くなくて、少し安心していた所があったかもしれない」と振り返る。伊佐HCは試合後に「CSだったらもうゲームオーバー。ミスは仕方が無いが、どこかで断ち切らないと。今日の経験をしっかり生かそうと話した」と言う。
最終Qにはボールを奪うプレーや千葉のミスを誘発する好守も見られたが点差は縮まらず83-104で敗戦。終盤には「得点差的にも(逆転は)難しかった」(伊佐HC)ことに加え、CSに向けルーキーの西野曜選手の調子などを見ることなどを目的に日本人選手のみで戦う場面も見られた。
前節から3試合連続100点ゲームで敗れているSR渋谷。伊佐HCは「ディフェンスが崩壊していると言ってもおかしくない。ディフェンスのチームと言っている以上プライドを持ってやらなくてはいけない。ディフェンスから自分たちのペースに持っていけるようにしたい」と話す。ディフェンスの中心を担う選手の1人である関野選手は、「強いチームは細かいミスやディフェンスローテーションのミスを突いてきて、(シュートを)落とさずに決めてくるので、もっとディフェンスを突き詰めていきたい」とも。
この試合の結果、CS初戦の対戦相手は宇都宮に決まった。伊佐HCは「リーグで一番失点が少なく、何よりチームが安定している。僕らが勝てるとしたらクロスゲームでしかない。(自分達も)崩れずについていって、最後、全員でゲームをものにできたら」と意欲を見せる。関野選手は「攻守でリバウンドを取って、固いディフェンスのなかでターンオーバーせずにプレーすれば戦える。自分達のバスケットが遂行できている試合は、どのチームとも良いゲームができているので(これまでやってきたことには)自信を持っている」と続けた。