Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が5月5日、横浜ビー・コルセアーズ(同、横浜)とホーム最終戦を戦った。
両チーム共にチャンピオンシップ(CS)出場を逃したなかでの戦いとなったこの日は、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の発出に伴い無観客試合となった。客席の一部には、SNSで集めたA東京と横浜双方のファンからのメッセージや写真などを掲出。A東京のザック・バランスキー選手は「熱い思いは届いた」と言い、横浜の竹田謙選手は、「(横浜は)アウェーにもかかわらずA東京が対応しくれて、メッセージを目の前で見られてうれしかったし自分の力になった」と振り返る。
先制を許したA東京は立ち上がりでビハインドを負うが、ケビン・ジョーンズ選手のインサイドの得点で同点に追い付くと一進一退の攻防となり、19-19で第1クオーター(Q)を終える。第2Qには、横浜のプレッシャーデイフェンスに攻撃時間24秒を守られたほか、速攻やミスからの失点もあり最大16点のリードを許すが、インサイドへのアタックからの外角へのパスからなど3本の3Pで点差を詰め34-41で前半を終える。
「メンタルの問題だと思うが、前半はエナジーが出せなかった」(安藤誓哉選手)なか、ハーフタイムではまず「自分たちの意志を見せよう」(A東京トップアシスタントコーチの水野宏太さん)と話したほか、「シンプルな状況を作られていた」(同)ピック&ポップ(スクリナーが外側にポップアウトするオフェンス)に対するディフェンスなどを指示し、後半に臨んだ。立ち上がりは、小島元基選手のバスケットカウント(得点に加えフリースロー)、デション・トーマス選手選手のオフェンスリバウンドからの得点などインサイドの得点で点差を詰め、安藤選手の3Pで逆転。さらに安藤選手は連続となる3P、インサイドへのアタックでファウルを誘発し得点を重ねる。それでも主導権を握りきれず、58-58の同点で最終Qに突入する。
序盤から中盤にかけてリードを奪うが、残り約3分で同点に追い付かれると、得点が停滞。トーマス選手がシュートブロックをしたり横浜のミスを誘発したりする好守も見せるが、残り約30秒で逆転を許す。残り18.4秒からの最後の攻撃、外国籍選手2人がボールマンにスクリーンを掛けポップアウトとゴール下へのダイブで攻撃を仕掛けようとするが、チームファウルがたまっていなかった横浜がファウルでA東京の攻撃を止めたことで「リズムをつかめなかった」(水野さん)。残り9.7秒からリスタートし、残り約4秒でパスを受けたのはバランスキー選手。「打つしかなかったし、自分が決めてやろう」と3Pを放つが決めきれず、71-73で惜敗した。
A東京は今季最後のホームゲームとなったが、安藤選手は「毎試合自分のベストなプレーをしたいと心掛けているが、ホーム最終戦ということが少し頭の中にあり画面の向こうで見てくださる皆さんに伝わる試合をしたいという思いはあった。勝ち切れず本当に悔やまれる」と唇をかんだ。試合後には、クラブを運営するトヨタアルバルク東京の林邦彦社長も登場し、ファンたちに感謝の思いを伝えた。
A東京は今月7日、アウェーで新潟アルビレックスBBと今季最後の試合を戦う。