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「アップリンク渋谷」5月20日閉館へ コロナ禍で「限界超え」26年の歴史に幕

アップリンクファクトリー(スクリーン1)

アップリンクファクトリー(スクリーン1)

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 3スクリーンを備える渋谷のミニシアター「アップリンク渋谷」(渋谷区宇田川町)が5月20日で閉館し、26年の歴史に幕を下ろす。同館を運営するアップリンク(同)が4月22日、公式サイトで発表した。

アップリンク渋谷の外観  

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 「設備や機材の老朽化による再投資を考えなければならない時にコロナ禍に襲われ、収入が途絶えた」同館。昨年4月、配給作品60本以上が見放題になるサービス「アップリンク・クラウド」を始めたほか、全国のミニシアターを応援するクラウドファンディング「ミニシアター・エイド基金」でも多くの支援を得た。さらに昨年は「助成金、補助金もあり、ぎりぎり生き延びることができた」が、今年は「さすがに限界を超える状態」で、「再投資をしても先が見えない状況」となり、閉館の決断を余儀なくされたという。

 社長の浅井隆さんは1974(昭和49)年、寺山修司が主宰していた劇団「天井桟敷」に入団。当時、並木橋近くの明治通り沿いに劇団があり、アップリンクに近い神山町にあったアパート「松風荘」に寺山修司が住んでいた。1976(昭和51)年、劇団は渋谷を離れて麻布十番に移転し、1983(昭和58)年に解散。浅井さんは1987(昭和62)年、映画配給会社としてアップリンクを品川区上大崎で設立。1993(平成5)年、神南に拠点を移し、同時にカルチャー隔月刊誌「骰子(だいす)」(2000年休刊、2008年「webDICE」として復活)の発行も始めた。

 1995(平成7)年、神南のビルの別フロアにイベントスペース「アップリンク・ファクトリー」を、2004(平成16)年、宇田川町に「日本一小さな映画館」として「アップリンクX」を開設した。2006(平成18)年、「アップリンク・ファクトリー」「アップリンクX」「アップリンク・ギャラリー」が集まり「アップリンク渋谷」が誕生。2018(平成30)年には「アップリンク吉祥寺」(武蔵野市=5スクリーン)が、昨年には「アップリンク京都」(京都市中京区=4スクリーン)が、それぞれ開館した。

 公式サイトでは、「四半世紀以上、渋谷のアップリンクが続けてこられたのは、観客の皆さんはもちろんのこと、そこで、表現してくれたアーティスト、企画者、映画監督、配給会社、そしてこれまで、運営を支えてくれた全てのアップリンクのスタッフのおかげ」と謝意を述べるとともに、昨年起きたハラスメント問題についても触れ、「弊社のハラスメントの問題では皆様にご迷惑とご心配をおかけし、信頼を裏切るような形になってしまったこと、申し訳ありませんでした。引き続き、ハラスメントのない会社づくりに向け、社長及び従業員一同取り組んでいきます」としている。アップリンク会員(有料)は引き続き「アップリンク吉祥寺」「アップリンク京都」で利用できる旨も伝えている。

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