「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展 美しき棺のメッセージ」が4月16日、渋谷の複合施設「Bunkamura」(渋谷区道玄坂2)の「Bunkamuraザ・ミュージアム」で始まった。
オランダのライデン国立古代博物館が所蔵する、エジプト・コレクション200点以上を展示する同展。
第1章では、オランダ人画家が1698年に描いた「ギザの大スフィンクス」、ロゼッタ・ストーンのレプリカなどヨーロッパの旅行者や調査団による移籍のスケッチや写真などで「初期の」エジプト探検を、出土品や映像などで現在同博物館が行っている発掘調査の様子を、それぞれ紹介。「ツタンカーメン王の倚像」などは背面に描かれた文字も見られるように置くほか、どのような意味かも分かるように解説を付けている。
第2章「エジプトを発見する」では、3000年にわたった古代エジプトを、先王朝時代を合わせた計10の時代に区分し、石碑や遺物を通して当時の世界観や技術の発展を探るとともに、エジプトがどのように発見・認識されたかを紹介する。
ミイラ棺や宝飾品、身代わりの人形「シャブティ」などを展示しエジプトの古代文明を読み解くのは第3章「エジプトを解読する」。十数点展示する棺のうち、ミイラ棺5体は第3中間期(紀元前1000年ごろ)~後期王朝時代(同700年ごろ)を順に並べ立てた状態で立体的に展示する。黄色(太陽光)から黒色(大地)、黄土色(パピルスや碑)、クリーム色(ミイラの亜麻布)まで色が変化していることや、棺の形、外棺や棺の内側に描かれている絵や呪文などを見比べることができるようになっている。
最終章「エジプトをスキャンする」では、同展のためにCTスキャンした人のミイラ3体と動物のミイラ1体の研究成果を「世界初」公開。CTスキャンはミイラに巻かれた包帯をはがすことなく調べることができ、調査の結果、人のミイラ1体には護符が置かれていたことや、その他2体には土製と見られる不明の物体が収められていることなどが明らかになっている。
開催時間は10時~18時(5月8日までの金曜・土曜は20時まで)。入館料は、一般=1,800円、大学・高校生=1,100円ほか。6月27日まで。