Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が4月4日、昨日に引き続き青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で琉球ゴールデンキングス(同、琉球)と対戦した。
試合時間は残り3分強、点差は18点、外国籍選手2人がファウルアウト。試合をひっくり返すのは難しい状況だったがSR渋谷の選手たちは戦うことをやめず、持ち味であるアグレッシブなディフェンスを仕掛けた。ボールマンには前線からダブルチームを仕掛け、パスミスや8秒バイオレーションを誘発。スローインのボールに飛び込みマイボールにする場面も見られた。
攻撃面でセットプレーはコールせず、「時間を掛けずに空いたら打つ」こと、ドライブ(ドリブルでのインサイドのアタック)が得意な選手にはアタックをすることを伊佐勉ヘッドコーチ(HC)が指示。石井選手は得意の3ポイント(P)シュートを連続で決めたほか、渡辺竜之佑選手は「吹っ切れた」と積極的にアタックし、最終クオーター(Q)だけで8点を挙げた。関野剛平選手や西野曜選手もアタックしファウルを誘発した。
試合に敗れたものの、試合後のベンドラメ礼生選手の言葉は力強かった。伊佐HCからは「ゲームを壊しても良いから全部持っていけと言われていた」と言い、「点差を詰めて自分たちの流れを作れた。こういうディフェンスをすれば、また試合を戻せる…そういう意識付けになったと思う」と手応えを伺わせる。「僕たち選手は互いにリスペクトしているが、プレッシャーを掛けるのが僕たちのスタイルで、気持ちよく終わらせたくなかったので、琉球には申し訳ないが最後までハードにやった。僕たちは相手を引きずってでも勝ちたい。その強い気持ちを持ち続け、自分たちのバスケットを表現できたのはサンロッカーズのためになる、次につながるディフェンスだった」とも。
伊佐HCは「キングス(=琉球)には失礼なことをしたが、お客さんが来ている以上、皆で最後まで戦おうと言った。しっかりやってくれた」と評価。最終Q序盤には、コンタクトプレーのファウルに抗議した伊佐HCがテクニカルファウルを宣告される場面もあったが、「お客さんには失礼だったと思うが、昨日からジャッジに対して思うところがあり、フィジカルゲームであればもう少し(激しく)やらせても良いのでは、と率直なことを言わせてもらった」と言う。その姿に来場客やベンチの選手たちからは拍手も起こった。
試合は、第1Qはトラベリングや8秒バイオレーションなどミスを誘発する攻守も見られたが、第2Q、第3Qには得点が伸び悩むと同時にファウルがかさみ、徐々に点差を離された。第3Qにはファウルトラブルもあり、一時ゾーンディフェンスをしたが、注意していたオフェンスリバウンドを許す場面が増えた。伊佐HCは、試合を通して「(琉球が)意図的にクリエートしていた」(伊佐HC)日本人選手の3Pを高確率で決められた点を一番の敗因に挙げた。最終結果は87-101。
沖縄出身で、かつて琉球に所属していた渡辺選手は琉球の先輩である岸本隆一選手や田代直希選手ともマッチアップ。第1Qには岸本選手との身長差のミスマッチがあったことから「逃げずに勝負しよう」と普段はあまり見せないミドルレンジのジャンプショットを決めた。しかし第2Qラストプレーでは琉球の動きに対する読みが外れ、岸本選手に3Pを許し「そこで流れ・雰囲気的にも変わってしまったのかな」と反省点も挙げた。試合を「楽しかった」と振り返りつつ、「隆一さんは前よりキレが増していたし、田代選手もさらに体が重くなっていて成長を感じた。(自分も)少しは成長していると思ってもらえていたらうれしい」と話した。
SR渋谷は次節、順位を争う富山グラウジーズとアウェーで戦う予定。