小学生が原宿の課題を見つけ解決策を提案する「Social Kids Action Project(ソーシャル キッズ アクション プロジェクト、以下、SKAP)」が3月26日~30日に行われた。
子どもたちに自発的なアクションを起こさせ、子どもの視点・意見で大人を動かすことを目的に実施する同プロジェクト。4児の母でフリーランスとして活動する傍ら「渋谷区子ども体験コーディネーター」でもある植野真由子さんが企画・主催し、NPO法人「放課後NPOアフタースクール」(港区)、「二枚目の名刺」(渋谷区富ヶ谷1)と連携し取り組んでいる。
トライアル(1回)を含めて今回で5回目。例年夏休みの時期に実施しているが、昨年は新型コロナウイルス感染症の流行を鑑みて中止。今年は夏に東京オリンピック・パラリンピックが予定されていることから春休みに時期をずらし、例年5日の日程を3日に短縮、人数を減らすなど新型コロナウイルス感染症対策を行い実施した。
参加したのは7人で、渋谷区在住・在学の小学校4年~6年(新5年~中1年)を対象にホームページ上などから先着で募集した。初日には、「原宿に来街する人はどんな人か」「どんな街だったらうれしいか」をリストアップしたほか、商店会の人や区の職員らを招き「原宿はどんな街か」「新型コロナウイルス感染症の影響」についてパネルカッションした。2日目には美容室や青果店などを訪問し、原宿で働く人達に原宿の街についてや、コロナの影響など子どもたち自身が考えた質問をインタビュー。パネルディスカッションやインタビューを経て、大人のアドバイスを受けながらそれぞれが「どんな街にしたいか」、取り組みたいテーマやアイデアを練った。
長谷部健渋谷区長をはじめ、商店会、協力企業、親など大人に向けたプレゼンを行った最終日。植野さん自身「コロナ関連が多くなると思っていた」と言うが、多様なテーマが挙がった。ごみ問題に対し、ごみを捨てたりごみ拾いボランティアに参加したりすると自動販売機などで使えるポイントがたまるアプリや、SKAPに参加して「皆の考え方が違い、新しい考え方に気付いた」こととから「アイデア共有週間」を展開すること、放置自転車を無くすために駐輪場の整備や駐輪場の場所を分かりやすくするようにする、新型コロナウイルス感染症流行に伴いマスクの着用が当たり前となったなか「笑顔が見えない、笑っているのか分からない」というショップスタッフらの声から、透明のマスクの製作などが挙がった。それぞれ、子どもたち自身が何をするか、誰(企業・行政など)に協力してもらうかなどの考えも交えて発表した。
長谷部健渋谷区長は、それぞれの案にコメントしつつ、「子どもながらの視点が入っていてアイデアが面白かった。大人のアドバイスもあったので、マーケティング・分析して、課題に対してどうアプローチしていくか、思考回路がちゃんとしているのは改めてびっくりした」と総評した。
子どもたちがプレゼンしたアイデアは、引き続き子どもたちが主導となり実現に向けて行動していく予定で、進捗(しんちょく)状況は同プロジェクトのホームページで公開していく。