大日本印刷(DNP、新宿区)が5月末(予定)、渋谷区立宮下公園のバーチャル空間をオープンする。
バーチャル「渋谷区立宮下公園」ではイベントや企画なども展開する
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、オンライン配信やバーチャル空間を活用したサービスが台頭し「コミュニケーションのあり方が大きく変化した」ことを背景に始める、XR(AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の総称)コミュニケーション事業の一環。
同事業では、実在する街や場所・施設をバーチャル化すると同時に、リアルとバーチャルが連動したイベントや企画を行うことで新しいコミュニケーションと経済圏を創造し、リアルの地域や施設が持つ価値や機能の拡張を図ることで、地方創生につなげることを目指す。
バーチャル空間は、同社のXRロケーションシステム「PARALLEL SITE(パラレルサイト)」を活用。自社のプリンティング技術を生かし「高精細」な画像で空間を作るほか、実際の街や施設を開発する自治体や管理者公認の空間として構築することで「安心・安全」さをアピール。これまで培ってきたセキュリティーやコンテンツの権利管理の強みも生かすという。
空間内ではさまざまなイベント・コンテンツも展開。企業などのイベントや、地域の観光資源などを活用したコンテンツなど、企業・地域などと共創しリアルと連携することで実益の還元を図る。企画は、展示や音楽ライブ、パブリックビューイング、バーチャル接客機能を活用したライブコマースなど幅広く対応。イベントなどが行われていない時は、空間内を歩き回ったり他ユーザーとのコミュニケーションを取ったりする場となるが、ユーザーが自身の作品を投稿するなどの2021機能も予定する。
バーチャル空間は、より多くの人が利用できるようウェブブラウザベースで環境を構築する。ユーザーはアクセス後、バーチャル上で展開されている企画から体験したいもの、自身のアバターを選ぶとバーチャル空間内に入ることができる。その後はバーチャル空間内を歩き回りながら、空間内にいる他のアバターと音声による会話をしたり、空間内で写真を撮ったりできる。感情を表現する3Dスタンプを空間内に一定期間残せる「EMOTO機能」も用意する。
区立宮下公園は、先行展開エリアの一つとしてオープン。実際の公園を管理する宮下公園パートナーズ、一般社団法人「渋谷未来デザイン」と連携し、世界に向けた渋谷の文化・カルチャーの発進拠点として「価値の拡張、進化させる」ことを目的に空間を構築していく。