Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が3月21日、京都ハンナリーズ(同、京都)と戦い84-72で勝利した。
大黒柱アレックス・カーク選手を今月15日に腰椎椎間板外側ヘルニアでインジュアリーリスト(故障者リスト)入りしたA東京。カーク選手が試合を欠場していたこの約1カ月、躍動しているのがデション・トーマス選手で、「アレックスがいない分の穴埋め、できる限りのことをするという気持ちで日々試合に臨んでいる」と話す。この日は先制となる3ポイント(P)シュートを決めたほか、第2クオーター(Q)には1対1を積極的に仕掛けるなど9得点をマーク。後半にはファウルを受けながら得点を決め雄たけびを上げる場面も見られたなか、最終的にチームハイとなる22点をマークした。
7試合連続で20点以上をマークしたトーマス選手。ユーロリーグなどでプレーして今季初めてBリーグに参戦しているが、新型コロナウイルス感染症流行の影響で開幕に来日が間に合わず。来日後も当初は「フィットしていない部分がある」(ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC))と実力は影を潜めていたが、「日本での生活にも慣れ、リーグのスケジュールやHCが求めるバスケットなどの感覚が今になってつかめてきた。全てがフィットしている」(トーマス選手)と好調の要因を分析。同時に「自信をもってプレーする事が一番のポイント。積極的にプレーしないと自分の持ち味が出ない。コートに立っている時はオフェンスもディフェンスもアグレッシブにプレーすることを心掛けている」とも。
互角の戦いを見せた試合前半。第1Q~第2Q序盤はビハインドを負うが、パスカットからチャンスを作ったり、パヴィチェヴィッチHCが「(A東京の)ベストディフェンダー」と評する菊地祥平選手が京都のキーマンの一人、レイヴォンテ・ライス選手のオフェンスファウルを誘発したりするなどの好守も見せ試合を振り出しに戻す。オフェンスリバウンドから得点につなげる場面が増えた第3Qには、小島元基選手や安藤誓哉選手らが高確率でシュートを決めチームで27点を挙げたほか、京都の得点を15点に抑え、この日初の2桁点差を奪う。最終Qも流れを引き渡すことなくなく点差を保ち、勝利を収めた。
レギュラーシーズンも終盤となりチャンピオンシップ争いが激化するなか、「勝てたことはチームにとって大きな勝利」と話したパヴィチェヴィッチHC。勝敗を分けた第3Qを「攻守が機能した」と振り返り、ディフェンス面では「リバウンドを取ることを継続すること、インサイドへのアタックからキックアウト(アウトサイドへのパス)され決められた3Pを抑えること」などを指示。オフェンスでは「慌てずに京都のディフェンスを読んで、狙いどころを絞ってからアタックすることをチーム全体で合わせることができた」と振り返った。
両チームは21日も戦う。