Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)とアルバルク東京(同、A東京)が3月8日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で戦った。
後半にインサイドで得点を重ねたサンロッカーズ渋谷のチャールズ・ジャクソン選手
共に渋谷区をホームタウンと位置付ける両チームの、今季レギュラーシーズン最後のダービー戦となったこの日。立ち上がりは連続得点を挙げたSR渋谷が一時7点差を付けるが、「ハンドラーがボールをコントロールできるかが鍵になってくることを意識して(コートに)入った」と言うA東京の安藤誓哉選手が、インサイドへのアタックから自ら得点をしたりアシストでチャンスをつくったりクリエートし詰め寄り19-18と接戦になる。
大きく試合が動いたのは第2クオーター(Q)。A東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)は、「激しく当たってくる(SR渋谷の)ディフェンスを乗り越え、オフェンスリバウンドを取らせなければ、必ず自分たちの良いオフェンスにつながる」と話し選手たちを送り出したと言い、リバウンドからチャンスをつくる場面が増え、インサイドへのアタックでディフェンスを引き寄せてから外角へのパスで3ポイント(P)を決めるなど得点を重ねた。SR渋谷は「ボールをもらう位置がスコアリングエリア外となりタフショットになった」(伊佐勉HC)とオフェンスが停滞すると、「メンタルをディフェンスに切り替えられず」(同)27-42とリードを許した。
SR渋谷は第3Q、インサイドの強いチャールズ・ジャクソン選手とジェームズ・マイケル・マカドゥ選手を同時に使う時間帯も見られ、「ディフェンスがダブルチームに来なかったので、意識してアタックした」と言うジャクソン選手を中心に得点を重ねる。「7点差に詰めればゲームになる」(伊佐HC)と話したが、A東京の3Pの精度が落ちず、思うように点差を詰められないまま最終Qを迎えた。SR渋谷が「いつも以上に激しくいった」(広瀬健太選手)アグレッシブなディフェンスが効き、A東京のミスを誘発する場面が散見し点差を詰める場面も見られるが、A東京は高確率でシュートを決め追随を許さず76-83でA東京が勝利を収めた。
今季の両チームの対戦は2勝2敗となった。試合後、伊佐HCに声を掛けていたパヴィチェヴィッチHC。「互いに厳しいシーズンになっているが、ライバルではあるがリスペクトしながら切磋琢磨していこうと話した」という。勝敗は五分だが、A東京が得失点差で上回る結果となったことから、安藤選手は「今日勝つか負けるかは自分達にとって重要な試合だったので勝ち切れてほっとしている」と安どの表情を浮かべた。
A東京は今月12日に日本一のクラブを決める天皇杯の準決勝が控えている。安藤選手は「(試合後)天皇杯に向けたミーティングがあったので、プレーも気持ちも引き締め直して天皇杯を取りにいきたい」と意気込む。
HC、選手共に第2Qを敗因に挙げたSR渋谷。次節となる今月17日は同地区の富山グラウジーズとの一戦となる。伊佐HCは「まず体を休めて、これまでの40数試合で出た課題を検証・埋めていく作業をしながら、一つでも多く勝たないといけない崖っぷちに立っているので、良い形で試合に入れるよういい練習をしたい」と話す。広瀬選手は、ライアン・ケリー選手らが復帰したことを「ベンチにいるだけで心強い、安心感はある」と喜びつつ、「これから同地区の強豪との対戦が増え、全ての試合が負けられない試合になる」と闘志を燃やす。