Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が3月3日、横浜ビー・コルセアーズ(同、横浜)と戦った。
前日の2日、ライアン・ケリー選手が左頬骨の骨折から復帰することを発表したSR渋谷。チーム練習にも数回参加しているほか、この日の試合前もシュート練習などはしていたが、週末に試合を控えていることもあり、試合出場は見送りに。同様に、足首を痛めているジェームズ・マイケル・マカドゥ選手もベンチ入りはしたものの「最初から出場させないつもりだった」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))と、再び外国籍選手1人の状態での戦いとなった。
それでも、試合の立ち上がりからリードを奪う展開を見せる。中でも現役大学生でもある西野曜選手は、空いているゴール下へ飛び込んだり、リバウンドでファウルを誘発したり積極性を見せ第1クオーター(Q)で6点をマーク。さらに第2クオーターには3ポイント(P)シュート2本を決めるなど前半で12点を挙げた。伊佐HCは「大学でやっていた4番ポジション(パワーフォワード)を練習でやらせたら、彼も生き生きしていたので思い切りオフェンスはやるように言った」と話す。西野選手は横浜の外国籍選手ともマッチアップしたが、「ディフェンスの約束事もほぼパーフェクトにやってくれた」と評価した。
38-33とリードして迎えた後半立ち上がりは、ベンドラメ礼生選手がルーズボールで粘りを見せたほか、ワイドオープンの3Pや速い攻守の切り替えからの得点などでチームを引っ張る。中盤にはファウルが続くなど我慢の時間帯も見られたが、チャールズ・ジャクソン選手が攻守でファウルを誘発したり、強みとするオフェンスリバウンドから得点を挙げたりゴール下で体を張る。最終Qには2桁点差でリードする展開が続くなか、残り約52秒、78-70のタイミングで横浜がタイムアウトを宣告。
横浜のカイル・ミリングHCは「トラップを仕掛けスチール(ボールを奪うプレー)を狙うこと」を指示。SR渋谷の選手はスローインでミスを犯すなど、横浜の作戦にはまり、残り約29秒で逆転を許す。最終盤、ジャクソン選手のフリースローで同点にするが、最後の攻撃で打ったベンドラメ選手のシュートは決まらず5分間の延長戦に突入。延長は横浜に先制点を許しながらも同点に追いつくが、逆転には至らず86-91で敗戦。チームは5連敗となった。
「38分間はしっかり戦えていた」なか、最終盤で追いつかれ「ゲームプランが変わってしまい、うまくクロージングができなかった」と振り返った伊佐HC。最終Q残り約20秒には横浜の外国籍選手がファールアウト(5ファウルで退場)となったことで、「アジャストが難しかくなった。選手たちにかわいそうなことはした」と続けた。外国籍選手1人の状況で奮闘するジャクソン選手は終盤、疲労感も垣間見えたが、「ここ1カ月くらいずっとハードにプレーしてくれている。最後、どこで下げようかと話していたが延長になりプラス5分プレーさせてしまった。彼の疲労をまず取らないと、けがをしそうな感じがある。スタッフと話してケアしたい」と話した。
けが人が相次ぐなか「いつも以上にミスが響いている。リバウンドやターンオーバーはいつも以上に気を付けないということは伝えている」というが、この日は終盤に「ターンオーバーやフリースローミス、ディフェンスミスが多く出てしまった」こともあり、試合後には「勝ちきるところまで全員でやり切ろうと話した」と言う。
試合終了後真っ先にロッカールームに下がったベンドラメ選手は「勝てる試合を5試合落としていて、その5連敗に自分のプレーが大きく関わっている」と声を詰まらせた。ケリー選手の復帰は「とてもプラスになると思う」としながらも、「彼がいない間のチームの成長はあったが、結果を出せず頼っていたんだなと(感じている)」と複雑な信用を吐露した。
連敗がかさむなか、チームの雰囲気についてベンドラメ選手は「良くは無いが、前を向いて切り替えないといけないのは全員分かっている」と言い、伊佐HCは「ロッカールームも暗かったが、負けたのは僕の責任が大きいので、ポジティブでいくことはずっと伝えている」と話した。
SR渋谷の次節の戦いは3月7日・8日、ホーム青山学院記念館(渋谷区渋谷4)にアルバルク東京を迎える。