Bリーグ・アルバルク東京(以下、A東京)が2月27日、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(以下、名古屋D)と戦った。
両チームは今季昨年末に一度対戦し、その時はA東京が連勝を収めていた。A東京は、大黒柱のアレックス・カーク選手が腰痛のため前節に引き続き欠場となった。
この日、名古屋Dは「(A東京の)足を止めたい」と、年明けから練習していたゾーンディフェンスを立ち上がりから採用。A東京は、「自分たちのスピードでプレーができず後手に回った」(ルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC))と得点に伸び悩むとともに、「集中力が無く、ディフェンスがソフトになり」(同)、名古屋Dに高確率で得点を許し、第1クオーター(Q)で17-26とビハインドを負う。
「自分たちのディフェンスを思い出してプレーしなければ勝てない」(パヴィチェヴィッチHC)と臨んだ第2Qは4分以上、名古屋Dに追加点を与えない堅守を見せ逆転に成功。以降はシーソーゲームとなるなか、ケビン・ジョーンズ選手のゴール下での連続得点や小島元基選手の3ポイント(P)シュートなどで一歩抜けだし44-40で前半を折り返した。
後半立ち上がりはデション・トーマス選手が積極的にオフェンスリバウンドに飛び込んだり、体勢を崩しながらも片手でシュートを決めたりして攻撃を引っ張る。第3Q終盤にはザック・バランスキー選手らがフリーの3Pを決め、64-58とリードを広げた。最終Q序盤には一時9点差を付けるも、「ディフェンスがソフトになって」(パヴィチェヴィッチHC)追い上げられ、残り1分10秒で逆転を許す。それでも、トーマス選手のリングへのアタックからのバスケットカウント(得点に加えフリースロー)、安藤誓哉選手のフリースローで87-85と再びリードを奪う。しかし、残り8.6秒で名古屋Dにフリースローを与え同点に追いつかれ、5分間の延長に突入。延長戦は名古屋Dに上回られ、95-100で敗戦した。
パヴィチェヴィッチHCは「ディフェンスが機能しなかった」点を敗因に挙げた。攻撃面ではワイドオープンで3Pを放つシーンが散見されたが、名古屋Dのディフェンスの「ローテーションミス」を見逃さず、「中から外へのパス回しからワイドオープンが生まれた」(パヴィチェヴィッチHC)。計4本の3Pを決めた小酒部泰暉(おさかべ・たいき)選手は「ギャップ生まれちゅうちょ無く打てた」と振り返る。
その小酒部選手はこの日、右第3中手骨の骨折から復帰。1月3日以来の試合出場となったが、「緊張はなかった」と言い、骨折の影響は「無い」と17得点を挙げる活躍を見せた。
A東京はこの日、エースで攻撃の組み立てでも重要な役割を担う田中大貴選手が足に違和感を抱いているような仕草を見せ、第1Q開始2分強でベンチに下がると、以降、出場しなかった。田中選手の状況について、パヴィチェヴィッチHCは「まだ分からない」と明かす。両チームは28日も戦うが、小酒部選手は「大貴さんがいつもクリエートして(ディフェンスの)ズレを作っていたが、明日はどうなるか分からないので、自分がそこでどれだけできるかは意識してやりたい」と意気込みを見せる。