Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が2月14日、三遠ネオフェニックス(同、三遠)と戦った。
連戦2日目となったこの日。外国籍選手3人のうち2人をけがで欠くなか、終盤へのスタミナなどを考え第1クオーター(Q)から日本人ラインアップを採用した伊佐勉ヘッドコーチ(HC)。三遠は外国籍選手2人というアドバンテージを生かし「インサイドで攻めてくる」と想定し「守り方を明確に」したことが当たり、三遠のターンオーバーを誘発する場面も見られた。前日、4試合ぶりに復帰した山内盛久選手は、けがの回復具合から出場時間に制限があるなか3ポイント(P)シュート2本を決め得点を引っ張った。
第2Qにはチャールズ・ジャクソン選手が序盤に2つ目のファウルを犯してしまい、8分近く日本人ラインアップで戦うことになるが、同Qは3ポイント(P)シュート3本を含む21点を挙げるなど三遠に引けを取らない戦いをして38-34で終えた。中でも渡辺竜之佑選手はアシストやオフェンスリバウンドからの得点など長身を生かしたプレーを見せた。伊佐HCは「(選手が)自分の役割を全うしてくれ、すごくいいバスケットができていた。日本人選手だけで(リードして)終われたのは今後につながるチーム力を感じられた」と評価した。
「昨日よりはひどくなかったが、全く同じ展開になった」(伊佐HC)第3Qは、リバウンドを上回られターンオーバーが増えた。それでもベンドラメ礼生選手が積極的に得点を挙げたり、速攻で得点を挙げたりして同点で最終Qに突入。序盤はディフェンシブな選手構成にし、前線からプレッシャーを掛け、三遠の攻撃を24秒守ったりパスをカットしたり持ち味のディフェンス力を見せ、一時8点のリードを奪った。渡辺選手は「ディフェンスで止めて良いオフェンスでシュートが決まると雰囲気が良くなり、徐々に皆のディフェンスの強度が上がった」と振り返る。
しかし終盤、三遠がビッグマン3人のゾーンディフェンスを敷くなか、「ギャップを探せず明確な指示が出せず、自滅ではまってしまい」(伊佐HC)得点が停滞し、残り約1分50秒で逆転を許す。最終盤は得点もアシストもできるベンドラメ選手に加えシューター陣を投入し得点を狙うが、ラスト2回の攻撃はどちらもベンドラメ選手がシュートを打つ結果に。伊佐HCは「シューター陣(のディフェンス)が空くかと思ったが空かなかった。結果的にベンドラメが打たざるを得なくなってタフショットになった」と分析する。
最終結果は71-75。伊佐HCは「選手があれだけ頑張ってくれたのに勝てなかったのは、自分自身に落胆している」と自責した。「普段やらないことをやらせているので、プレー面でもやもやさせている感じがずっとあって気にはなっている」と言い、来週末は試合が無いことから、「体もメンタルも一回休ませて、出てきた課題を練習から修正していきたい」と話した。
試合後、「一人一人ができることを遂行しきれなかった積み重ねで接戦を勝ち切ることができなかったのかな」と振り返った渡辺選手は、「逃げないで(自分の前が)空いていたらどんどんアタックする気持ちではいた」と積極的にリングにアタックしたほか、最終Qには「隙を狙っていた」と空いていたゴール下に走り込み得点を挙げるなど各時間帯で好プレーを見せた。しかし、終盤の三遠のゾーンディフェンスに「ボールが止まってしまったので、手応えも課題も感じた」と振り返った。
渡辺選手はアウェーにもかかわらず応援に駆け付けたファンに感謝の思いを示しつつ、「厳しい戦いが続くが、今いる選手で一人一人がステップアップしてチーム一丸となっていくので応援してほしい」と呼び掛けた。
エースのライアン・ケリー選手がけがで離脱して約2週間。リーグの規定上、SR渋谷は外国籍選手1人を新たに迎えることができるが、伊佐HCは「選手のリストアップはしているが、海外から呼ぶと隔離期間もあるので、どうしようかと…。まだ分からない」と話した。