Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が1月27日、川崎ブレイブサンダース(同、川崎)とアウェーで戦った。
この日、チームいちの得点源でありボールハンドラーでもあるライアン・ケリー選手が前節で負傷したため欠場となったSR渋谷。広瀬健太選手は「(ケリー選手から)『僕がいなくてもタレントがそろっているから、SR渋谷としてしっかり戦ってこい』と発破をかけてもらった」と明かし、「ライアンはエースなので頼るところも大きかったが、いないからと言って言い訳にはできない」と試合に臨んだ。
伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は、ケリー選手と並んでエースのベンドラメ礼生選手が得点を狙いにいけるよう、ボールハンドラーとして渡辺竜之佑選手をスタートで起用した。ベンドラメ選手は立ち上がりから積極的に得点を狙いにいくもタフショットになる場面が多く、結果的にこの日チーム最多となるシュートを放つも得点は6点にとどまった。川崎の佐藤賢次HCは「ベンドラメ選手がキープレーヤー、エースだと思っているので、好きにさせないのはゲームプランだった」と話した。
試合の立ち上がりは、インサイドで強みを持つチャールズ・ジャクソン選手とジェームズ・マイケル・マカドゥ選手がゴール下で体を張り得点を挙げたほかリバウンドでつなぎ、川崎と互角の戦いを見せた。第2クオーターに(Q)には試合終盤を見据え、外国籍選手1人のラインアップも交えながら戦った。野口大介選手が川崎の外国籍選手相手に体を張りミスを誘発する場面なども見られたが、川崎の得点を抑えることができず37-44で前半を折り返す。
第3Qはチームファウルがかさみ、川崎にフリースロー16本から15点を与えることに。ジャクソン選手がマカドゥ選手との連携プレーを見せたり、田渡修人選手の3ポイント(P)シュートを演出したり攻撃の起点となり得点を積み重ねていくも55-74と点差を広げられた。最終Qには、広瀬選手が、「難しいタイミングだったが思い切って打った」と攻撃時間ギリギリの3Pを決めたほか、ディフェンスで川崎のミスを誘発するなどし追い上げを見せるが、2桁点差が続く。残り約3分30秒には、週末にも試合が控えていることから外国籍選手をベンチに下げ、日本人ラインアップに変更。伊佐HCは「一つずつ守って、しっかり攻めていこう」と選手たちを送り出した。簡単な得点を許さず、ルーズボールに飛び込んでボールをつなぎ、ディフェンスのズレをつくり野口選手が3Pを決めるなど戦い抜いたが73-86で敗戦となった。
試合を通してミスが散見したSR渋谷、計19のターンオーバーを犯し、ターンオーバーから25点失点した。伊佐HCは「ターンオーバーの質が悪すぎて話にならない」と一刀両断。「(川崎は)ディフェンスがすごくいいチームなのでプレッシャーは相当かかっていたと思うが、だからこそ丁寧にボールを扱わないといけないところを安易にパスしてしまった。あれではどこのチームにも勝てない」と厳しい言葉を続けた。インサイドの強みを生かしたかったが、「(インサイドに)ボールが行く前にプレッシャーに負けプレーが終わってしまっていた」とも。
SR渋谷も川崎からスチール(ボールを奪うプレー)を12本見せたが、広瀬選手は「(ディフェンスの)結果としてスチールはあるが、スチールの数がディフェンスの良しあしではない。僕らのプレッシャーをかけ続けるディフェンスは、ボディーブローのように(試合の)残り5分で効いてくると信じている。40分間やり続けられなかった部分もある」と話した。
この日は特別指定選手として入団した東海大3年の八村阿蓮選手も約9分出場。試合前にコーチ陣から「しっかり準備しておくよう言われた」といい、体を張ったディフェンスや「積極的に打とうと決めていた」とシュートも2本放ち「緊張もあったが、やるべきことはできたのかな」と振り返った。
SR渋谷次節は今月30日・31日、現在リーグ1位の宇都宮ブレックスと戦う。広瀬選手は「チャレンジャーなので、連戦だがまず土曜の試合に100%出し切り、自分達がやるべきことを40分間徹底したい」と意気込む。