東京のアイコン・ムーブメントづくりを目指すプロジェクト「KISS,TOKYO(キストーキョー)」のベンチオブジェが12月25日、渋谷川沿いの遊歩道「渋谷リバーストリート」に設置された。
アートディレクターの千原徹也さんらが、「I■NY」(■はハートマーク)のようなロゴが「東京にもあれば」と2017(平成29)年に立ち上げた同プロジェクト。企業・ブランドなどとのコラボレーションでロゴを使った商品を展開するほか、災害時に帰宅困難者が一時的に退避できる「一時退避場所」を誘導する矢印をモチーフにした作品を街なかに設置する「シブヤ・アロープロジェクト」にも参加するなどしている。
新たな観光名所を目指す同所。千原さんは、ニューヨークに設置されていた「LOVE」の文字の彫刻作品を例に、「オブジェを作り東京の象徴となる場をつくることは、(プロジェクトの)終着地と言ってもいいくらいやりたかったこと」と話す。制作するに当たり「皆の力で作ったものにしよう」と11月11日~12月8日にはクラウドファンディングを行い252人から420万6,236円の支援を集めた。加えて、「東京の一観光名所として、東京は元気だということを世界に発信するプロジェクトができないか」と考えていた一般財団法人渋谷区観光協会と東急が協賛した。
ベンチは、唇と「TOKYO」の文字を組み合わせた「キストーキョー」のロゴマークオブジェを中心に、四方を囲むように座面を備えた。サイズは、高さ2メートル×幅1.5メートル。座面の高さは45センチ。オブジェはスチールとステンレス製、座面はイベ材。
千原さんは「よくここまで来たなという感じ」とベンチオブジェの設置を喜び、「東京に来たら必ずここで写真を撮って帰ろうとなるような、街に溶け込んで、皆の場所になるベンチになれば」と期待を込めた。同日行われたお披露目会にはダンス&ボーカルグループ「Da-iCE (ダイス)」の工藤大輝さんがゲストとして登場。円山町周辺のクラブやライブハウスに足を運んでいたことから、上京以来10年ほど渋谷区内に住んでいるという工藤さん。渋谷は「思い出深い場所」と言い、「待ち合わせはハチ公やモヤイだったが、今後は『キス前集合』ということもあるのでは」と話し、「KISS,TOKYO」の楽曲を作り同所で「(CDの)ジャケット写真を撮る」ことなどにも思いを巡らせた。
ベンチオブジェは渋谷区観光協会が寄贈を受け、維持・管理していく。同協会では、同じくリバーサイドに歌手の木村カエラさんがプロデュースした「インフィニティ・ラブ・ベンチ」も設置(渋谷区に寄贈)している。