Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が12月19日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で広島ドラゴンフライズ(同、広島)を99-78で下した。
試合の立ち上がりは、ベンドラメ礼生選手が先制となる3ポイント(P)シュートを決めたほか、ゴール下に飛び込んで得点を挙げたり、ボールを奪うプレーを見せたりして攻守でアグレッシブさを見せる。第1クオーター(Q)終盤にリングにアタックするプレーから得点を挙げた広瀬健太選手は直後に、「プレッシャーを掛けていたら相手が油断をして自分のマークマンにパスをしてくれた」と広島のスローインのボールを奪い、仲間の得点につなげた。第2Qは序盤に広島のオフェンスを24秒守り切ったりトラベリングを誘発したりするなどして好守を見せ、中盤には約2分、広島に得点を許さず、ライアン・ケリー選手の3Pやジェームズ・マイケル・マカドゥ選手のアリウープダンクなどで得点を重ねる。それでも、リバウンドやルーズボールを「ほとんど取られ」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))3点ビハインドで前半を折り返す。
前半終了後「自分たちのディフェンスができていないという認識は全員持っていて、エナジーが足りないのではと話していた」(広瀬選手)選手たち。「ディフェンスから流れを持ってきたいと意識した」石井選手は序盤、「体を当てて気持ち良くプレーさせないのは仕事」と体格差のある広島の外国籍選手からオフェンスファウルを誘発したほか、ボールを奪うプレーを見せる。オフェンス面でも、自身がシュートに行くコールに「積極的にアタックしよう」とレイアップシュートを決めると、直後のオフェンスでも「良い感覚が残っているうちに行こう」と連続でリングにアタックした。途中出場した広瀬選手は仲間の好守から緩くなったパスを見逃さず、ボールを奪うプレーから得点を挙げると、直後には「コーチからも言われていた、(広島の選手の)苦手な方向にドリブルを突かせ」ダブルドリブルを誘発した。
第3Qで逆転するとともに、14点のリードを奪ったSR渋谷。最終Q立ち上がり、得点を決めきれないポゼッションやファウルが続く中、伊佐HCは「ミスが出れば1桁差に追いつかれる」と、選手たちに「気を抜くな」と声を掛ける。その言葉にサムズアップで応えたベンドラメ選手は、広島の選手がボールを下げたところを見逃さず、ボールを奪うプレーを見せる。終盤には、盛實海翔(もりざね・かいと)選手やベンドラメ選手が起点となり、ドリブルからのキックアウト(外へのパス)からの得点を決める連携プレーが見られたほか、残り約2分には野口大介選手のリングへアタックするプレーからのオフェンスリバウンドでマカドゥ選手がダンクを決めると、ベンチの選手たちも立ち上がって喜んだ。ベンチから見ていた広瀬選手は「ボールをシェアする、チームとしてオフェンスが構築できていた」と振り返った。最終Q10分間出場した盛實選手が得意の3Pで99点目を挙げゲームを締めくくった。
試合後、「前半はゲームプランが遂行できていない部分があったが、後半は合格点」と評価した伊佐HC。前半、広島の帰化選手ケネディ・トーマス選手に21点を許していたが、「もっと間合いを詰めてドライブさせよう」と伝え、後半は4点に抑えることに成功した点も大きかった。広島から29本のターンオーバーを奪ったが、伊佐HCは「素晴らしい数字だが、中には狙いすぎて簡単にレイアップに行かれたシーンもあった。明日同じようなことをしたら勝てないので難しいが、アグレッシブかつ慎重に、突き詰めてやりたい」と振り返った。
世の中はクリスマスが近づいているが、石井選手は「シュートを打ちたい」という3歳の長男のためにバスケットボールとゴールをプレゼントとして用意。5歳の長男、2歳の長女の父親である広瀬選手は「僕は用意していないが、(長男が)手紙を書いていたので、いい子にしていたらサンタクロースが(プレゼントを)持ってきてくれると思う」と話した。それぞれ、自身が欲しいプレゼントは「マットレスに敷く、めちゃくちゃ温かい敷きパッド」(石井選手)、「かっこいい電動自転車」(広瀬選手)と言い、広瀬選手は「言ったらもらえるんですか?」と笑いを誘った。
両チームは20日も同所で戦う。