ファッションブランド「CECIL McBEE(セシルマクビー、通称・セシル)」の最後の実店舗となるSHIBUYA109店(渋谷区道玄坂2、以下109)が11月30日、閉店した。
ジャパンイマジネーション(代々木1)が1986(昭和61)年に立ち上げた同ブランド。当初はセクシーカジュアルなアイテムを強みとしていたが、時代の流れとともにエレガンスやフェミニンなテイストのアイテムも展開。昨年にはロゴやコンセプトも刷新していた。
SHIBUYA109店はブランドの旗艦店として、1987(昭和62)年から営業していた。ピーク時は年14億円超を売り上げていたほか、2000(平成12)年~2013(平成15)年は館内での売り上げが14年連続1位を誇るなど、109を象徴するブランドの一つだった。
同社は今年7月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今後の生活様式・消費行動・価値観の「劇的変化」に対応するため、アパレルブランド事業の再構築を発表。その中で、セシルなどの店舗事業を撤退し、ライセンス事業を継続することを明らかにしていた。
最後の実店舗となった同店では、閉店に向け「THANK YOU CLOSE EVENT」を実施。かつての人気アイテムであるレオパード柄のミニ丈ワンピース、ツイード生地のジャケット、熊のぬいぐるみやマグカップなどのノベルティー、ムック本、歴代のショッパー(買い物袋)を展示するなどしていた。
イベント期間中は、毎日来店した人や、親子で「愛用」していた人、新旧問わずブランドのアイテムを着て訪れる人が多く、来店客からは「ありがとう」と声を掛けられることも。ノベルティーやショッパーを持参し展示に協力するファンもいたいう。
最終日にも多くのファンが集まり、店員と思い出話に花を咲かせるなどしていたほか、店舗からインスタライブを行い、店員たちは全国のファンに「ありがとうございました」と感謝の言葉を口にし、涙ぐむ姿も見られた。
閉店時間の21時を迎えると、同社セシルマクビー営業部次長営業統括リーダー兼商品統括リーダー手塚(てつか)邦洋さんは「本日でセシルマクビーというブランドの第1幕が閉幕となるが、33年もの長い間、本当にお世話になった。この先、何年後かは分からないが必ず、新しいステージの幕開けができるように頑張っていきたい」とあいさつ。閉店を見守ったファンたちからは、「おつかれさま」「ありがとう」などの声と共に拍手が送られた。