Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が11月8日、京都ハンナリーズを90-78で下し連勝を収めた。会場は青山学院記念館(渋谷区渋谷4)、入場者数は制限付きで836人。
試合の立ち上がりは互いに一歩も譲らない展開を見せたが、第2クオーター(Q)で前日同様、ゾーンディフェンスに苦しめられた。得点が止まるとともに「ディフェンスの強度が落ち」(伊佐勉ヘッドコーチ(HC))、京都に高確率でシュートを決められ36-49とリードを許した。
「もう一回ディフェンスから立て直していこう」(伊佐HC)と臨んだ後半。立ち上がりは互いに点を取り合うが、京都のミスやディフェンスリバウンドからの得点で徐々に点差を詰め、ルーズボールに飛び込みボールをつないだライアン・ケリー選手が3ポイントシュート(P)を決めると、石井講祐選手、ベンドラメ礼生選手も続けて3Pを沈め、第3Q残り3分52秒で2点差に詰め寄った。残り13秒にはジェームズ・マイケル・マカドゥ選手が速攻からのレイアップシュートをバスケットカウント(得点+フリースロー)にすると「気持ちを前面に出して、チームにさらなる追い風を与えられたら」と雄たけびを上げ、ベンチの選手たちとハイタッチ。得たフリースローも決め逆転に成功した。このタイミングでコートインした渡辺竜之佑選手は直後のディフェンスで、「(仲間の)ヘルプに行きながら(自分のマークマンのディフェンスに)戻れたらと意識していて、狙い通りにパスが来た」と京都の攻撃を止めHCの期待に応えた。
最終Qも良い流れを継続したSR渋谷。広瀬選健太選手は「狙っていた」と、京都デイヴィッド・サイモン選手のシュートを後ろからブロック。残り7分50秒のタイミングでレイヴォンテ・ライス選手がコートインすると、身長のミスマッチを突き、ケリー選手にボールを託し連続でファウルを誘発。ライス選手はファウル4つとなりベンチに下がることとなった。
後半は、前半で2桁得点を許していたライス選手に対し、「ずっとボールをキープされアタックされていたので、ボールを離させたい」(伊佐HC)とWチームを仕掛けるディフェンスに変更。「嫌がっていたので、テンポが崩れると思っていた。やり続けた結果、ターンオーバーにもつながったし、いいオフェンスで終われない場面が多かったのでは」と手応えをうかがわせた。
そのライス選手とマッチアップした渡辺選手は「守るところは守れた」と自己評価。この日は、同じくライス選手にマッチアップする関野剛平選手のファウルがかさんだ分、その役割は多くなった。「(関野選手は)わざとファウルして交代していたように見えたけど(笑い)」と冗談めかしつつ、「剛平が先発で出て積極的にプレッシャーを与えてくれるので、もっと頑張ろうと刺激にもなる。これからもどんどんプレッシャーを掛けていきたい」と意欲を見せる。「(京都は日本人選手で)リバウンドが特別強い選手がいないので、こぼれ球やルーズボールは見逃さないように」とディフェンスリバウンドを取り、速攻を仕掛ける場面も見られた。
ディフェンスとリバウンドを強みとする渡辺選手。「そこにフォーカスしている選手は少ないと思う。そういった意味で他にはいない選手になれるように意識している」と言い、例年よりオフの期間が長く「動きが悪くなっていた部分もあると思うが、シーズンに合わせてコンディションを整え万全な状態でできている」と話した。
マカドゥ選手選手はこの日、チームハイとなる22点をマーク。前日の試合ではファウルがかさみ「納得のいく試合ができなかった」ことから、この日は「できるだけコートに立ち、自分の試合をすること」を意識。ディフェンス面では「我慢しながら守ること意識しつつ、マカドゥ選手はは緩いパスが飛んできた際に狙っている」とパスをカットするプレーを複数回見せた。
オフェンス面では、「ゴールに向かうことは常に意識している」と積極的にゴール下に飛び込み、「練習はしていない」と言うが、チャールズ・ジャクソン選手とケリー選手のアシストでアリウープのダンクを4本決めファンを沸かせた。ジャンプショットも100%の確率でシュートを決めたが、「自分がやりやすいプレーをさせてくれた」とチームメイトへの感謝の言葉を口にした。伊佐HCは「彼(マカドゥ選手は)自分で何か仕掛ける選手ではないので、周りの選手が彼を生かすことができているのでは」とも。
SR渋谷は今月11日、富山グラウジーズとアウェーで戦った後、14日・15日に同所で名古屋ダイヤモンドドルフィンズと戦う。