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ハロウィーンは「感染者0」「迷惑行為0」へ 渋谷区長が自粛呼び掛け

長谷部健渋谷区長

長谷部健渋谷区長

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 ハロウィーンが近付いてきた10月22日、渋谷区がハロウィーン対策に関する会見を開いた。

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 例年、イベントが開催されていないにもかかわらず、仮装をした多くの人が渋谷に来街するハロウィーン。近年は、器物破損や暴行、ゴミの大量放置など一部の来街者らによる犯罪・迷惑行為、暴走車両の来街などが社会問題となっていた。そうした中、昨年は一般会計補正予算に約1億300万円を計上し自主警備の強化などで対策を講じたほか、路上での飲酒などを禁じる条例を施行すると同時に駅周辺のコンビニエンスストアや百貨店などに酒類販売の自粛を依頼するなどした。

 昨年は最大約7万人(一般財団法人渋谷区観光協会)が渋谷に滞在したというが、路上で酒を飲む人の姿が減るなど「それなりの対応ができたと考える」(長谷部健渋谷区長)。今年はコロナ禍で外国人観光客が減るなど例年と異なる状況を見込むが、原則として昨年とほぼ同じ対策を講じる。

 自主警備は昨年同様、民間の警備会社に依頼するが、人数は100人程度と人員は若干削減
しつつ、昨年同様3人1組で稼働。街なかには監視台を10カ所設置する予定。実施日は、曜日配列などを考慮し31日のハロウィーン当日(18時~翌4時)のみにする。警備は警察とも連携する。

 今月24日から、駅周辺の路上で飲酒を禁止する条例を施行。駅周辺のコンビニエンスストアや百貨店、小売店など19社(店)には、31日当日(18時~24時)に酒類の販売を自粛するよう依頼済みだが、現状対応する社・店舗は不明。実際の自粛状況は当日担当者が店舗を回り確認するという。

 例年用意していた仮設トイレや着替えスペースは設置しないが、「必要最低限の範囲」として渋谷駅前ハチ公広場と宇田川交番前の2カ所にゴミの分別、回収場所を設置し、11月1日早朝には「ハロウィーンごみゼロ対策実行委員会」が早朝にボランティア清掃の支援を行う。道玄坂や文化村通りの交通規制については警察と協議中だが、今年は予定していないため、歩道で立ち止まったり集まったりできないよう声掛けをしていく。

 長谷部健渋谷区長は「自発的な人の集まりではあるが、新型コロナウイルスが拡大する中、渋谷でクラスターが発生することは避けたい。安心安全の観点から自粛を呼び掛けたい。路上でとどまったり夜通し路上に出て騒いだり酒を飲んだりする行為は慎んでほしいし、仮装している人を見に来る人のマナーの問題も出てきているので、3密を避けるためにもコロナ禍でのあり方も考えていただけたら。警備体制や世の中の空気感などを理解して我慢してほしい」と呼び掛ける。店の中などで行われるイベントなどに参加することは「問題ない」とし、「難しいが全く(人が)来ないでくれということではなく、来る方々のモラル、渋谷を愛する気持ちに賭けてみたい」と話した。

 今月24日から順次、渋谷駅前の憲章ボードや駅周辺の商店街の街路灯に「感染者0」「迷惑行為0」「HOME HALLOWEEN」などのメッセージを書いたフラッグを掲出。広報紙やウェブサイト、公式SNS、コミュニティーFMなどでも、区の取り組みや条例の周知、新型コロナウイルスの感染拡大抑止のための啓発、来街自粛などを呼び掛けていく。

 「禁止や自粛だけでなく自宅にいてもハロウィーンとして、新たな価値や文化を発信したい」(長谷部健渋谷区長)と、バーチャルやデジタルなどで企画されているイベントを後援する。区公認の「バーチャル渋谷」で開催されるハロウィーンフェス(今月26日~31日)、m-floの☆Taku Takahashiさん主宰するオンライン音楽フェス「BLOCK.FESTIVAL(ブロック フェスティバル)Vol.3」(31日)、渋谷スクランブルスクエア(渋谷区渋谷2)内の共創施設「SHIBUYA QWS」で誕生したプロジェクトチームが「#集まらないハロウィン」を呼び掛ける取り組み(今月31日まで)の3つとなる。

 予算はコロナ禍の前に組んでいたため昨年と同水準(昨年は1億300万円)を確保しているが、警備日数を減らすことや来街自粛を呼び掛けることなどから「半部くらい減らせたら」と考え調整を進めている。

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