アルバルク東京(以下、A東京)が10月2日、Bリーグ2020-21シーズンの開幕戦を川崎ブレイブサンダース(同、川崎)と戦った。会場はアリーナ立川立飛。観客数は1311人。
昨シーズン、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け途中で中断となったBリーグ。コロナ禍の中、5000人を上限に会場キャパシティとなる半数の有観客で開幕を迎えた。会場では関係者を含め全員が検温を行ったほか、マスク着用を呼び掛けた。アリーナ内は各所に消毒液を用意し、客席は前後左右1席ずつ空けて座席を案内。大声を上げた応援が禁止となっている中、ファンたちには応援はりせんを配った。
他チームに先駆けた開幕戦となったこの日。試合前には、クラブを運営するトヨタアルバルク東京・林邦彦社長が「皆さんに支えられて開幕を迎えられたことは大変うれしい」と感謝の言葉を口にし、「安心・安全」を第一に試合運営を行い「その上で質の高い試合を見ていただき、元気を与えられたら」と意欲を見せた。地元・立川在住の矢野川圭子さんと小学6年の諒太さんは「待ちに待ったという感じで本当にうれしい」と喜びを表現し、諒太さんは「格好いいプレーが見たい」と期待を込めた。
今季キャプテンに就任した安藤誓哉選手は、約半年ぶりの試合に「待ちに待った日、いつも以上にエキサイトした心境だった」という。試合前、「(チームメート)それぞれがやるべきことを分かっている様子だった」ことから、シンプルに「さぁいくぞ」と声を掛け試合に臨んだという。
今季初得点を挙げたのは、A東京のアレックス・カーク選手。リバウンドからのセカンドチャンスをダンクでねじ込んだ。同点で迎えた第2クオーター(Q)は、A東京が得意とするピック&ロールからカーク選手が得点を挙げたほか、竹内譲次選手とカイル・バローン選手の連携プレー、田中選手の3ポイント(P)シュートなどで得点を重ねた。立ち上がりから両チームの激しいディフェンス(DF)が見られる中、オフェンス力の高い川崎を前半22点に抑えたことをルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチ(HC)は勝因に挙げた。
萌さん(27)と侑季さん(28)は横浜から観戦に訪れた。昨シーズン観戦予定だった「一番楽しみにしていた」試合が中断になり無くなったこともあり「バスケの無い生活にコロナもあり、メンタルが落ちたこともあったが、やっと始まってめちゃくちゃテンションが上がった」と喜んだ。そろって須田侑太郎選手のユニホームを着て観戦していたが、「ディフェンスがよりすごくなっているのと、相変わらずのイケメンで…」と相好を崩した。「当たりが強い川崎に負けないくらいプレーをしてくれて、勝利で終わってほしい」「明日に向けていい試合をしてほしい」とエールを送った。
後半、安藤選手のスチール(ボールを奪うプレー)や3Pなどで点差を2桁に広げると、A東京は勢いに乗り58-44で最終Qに突入。10点前後の点差でゲームが進む中、残り約1分30秒から川崎の3P構成に6点差まで詰め寄られるが、85-79で下し勝利を収めた。
パヴィチェヴィッチHCは試合後「ここに戻ってこられ、プレーができたこと、そしてこの時間を皆さんと共有できてうれしい」と開幕を喜んだ。安藤選手は「会場を設営してくださった方がいて、(その中で)半分でもお客さんに入ってもらえてモチベーションが上がったし、生で見てもらうことで価値が見いだせるのがスポーツだと思っているので本当にうれしかった」と続けた。外国籍選手が2人合流できていない中ではあるが、安藤選手は「いないからこそ、危機感を感じて全員がいつも以上の力を発揮できた部分もある。今できる100%の力を出せた」と振り返り、「(選手がそろった時の)僕たちの100%の仕上がりは未知数。若い選手も入ってきてまだ成長できる可能性があるし、外国籍選手ともケミストリーを固めることができれば本当に強いチームになれるのでは」と今季の戦いに向け展望した。
両チームは3日も同所で戦う。