オンラインイベント「バーチャル渋谷 ハロウィーンフェス」の発表記者会見が10月1日に行われ、渋谷区の長谷部健渋谷区長が街への来街を自粛するよう呼び掛けた。
ハロウィーン仕様で参加者を迎える「バーチャル渋谷」のイメージ
例年、イベントが開催されていないにもかかわらず、仮装をした多くの人が渋谷に来街するハロウィーン。昨年は最大約7万人(一般財団法人渋谷区観光協会)が渋谷に滞在したという。昨年区は、路上での飲酒などを禁じる条例を施行したほか、ハロウィーンに向けた警備などの対策費として補正予算も計上した。それでも、トイレやごみの問題、路面店の損害被害など「課題が残っている」。
コロナ禍である今年は、海外からの観光客が来日できない状況であることから「一定の鎮静化は期待できる」(観光協会理事長・金山淳吾さん)ものの、多くの人が集まり長時間滞在し「3密」の状態になることで新型コロナウイルスの感染源になるリスクは否めない。そのため、今年は「#StayVirtual(#ステイバーチャル)」をテーマに、自宅などでもハロウィーンを楽しむ一つの提案として同フェスをはじめとするオンラインイベントへの参加を呼び掛ける。
同フェスは、区公認の配信プラットホーム「バーチャル渋谷」(バーチャルSNS「cluster」内)で開催する。バーチャル渋谷は、KDDI(千代田区)、一般社団法人渋谷未来デザイン、一般財団法人渋谷区観光協会が主幹事業者となる「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」の企画として5月に開設したプラットホームで、渋谷駅周辺の街並みを再現した空間になっている。フェスの主催は渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトで、渋谷区は後援として名を連ねる。
同フェス開催に向け、これまでの渋谷駅前スクランブル交差点エリアからSHIBUYA109前のエリアに加え、ハチ公前広場を新たに作りエリアを拡大。期間中は、ハロウィーンの装飾をして参加者を迎える。バーチャル上で「仮装」ができるようアバターの販売など物販も予定。期間中は、きゃりーぱみゅぱみゅさんのミニライブ(26日)やBiSHのバーチャルライブ(29日)、和牛によるホログラムを活用したお笑いステージ(30日)などのイベントも展開する。その他詳細は順次発表していく。
区では今月中旬ごろから、駅周辺の街路灯に自粛を呼び掛けるフラッグを掲出するなど市民にアプローチしていく予定。当日の警備なども検討しており、決まり次第公表していく。
長谷部区長は「バーチャルの空間でハロウィーンを楽しむことで全てが解決するとは考えていないが、新しいことにチャレンジしていこうとする姿も渋谷らしいと思うので、新たな渋谷の価値として応援していきたい」とし、「皆で力を合わせて、今年のハロウィーンを乗り越えていきたい」と話した。金山さんは「ご自身の実を守る意味も含め、自粛ムードで安全な場所でハロウィーンを楽しんでもらえたら。渋谷が大きな感染源にならないよう、迷惑行為も減る年にしたい」とも。