近現代の動物画を紹介する特別展「竹内栖鳳(せいほう)『班猫(はんびょう)』とアニマルパラダイス」が9月19日、日本画専門美術館・山種美術館(渋谷区広尾3、 TEL 03-5777-8600))で始まった。
展示するのは竹内栖鳳をはじめとする近現代の日本画家が動物を描いた作品60点。竹内の作品は17点で、約4年ぶりにする「班猫」は毛並みを墨や金泥(きんでい、金粉を溶かした絵の具)などで「繊細な線」で描いた重要文化財となる。
そのほか、西村五雲(ごうん)が京都市動物園で初めて目にしたシロクマを写生し完成させた「白熊」、ロバと共に平原を旅する一家を描いた小村大雲(おむらたいうん)の「東へ」、暗がりの中で木の枝に止まるミミズクを描いた横山大観の「木兎(みみずく)」、ヤツデに巣を張るクモを描いた「葉陰魔手(よういんましゅ)」と光に集まるガの群れを描いた「粧蛾舞戯(しょうがぶぎ)」の「昆虫二題」(速水御舟)など、さまざまな生き物が題材となった作品が並ぶ。
併せて、昭和から平成にかけて活躍した歴史画・守屋多々志(ただし)の「西教伝来絵巻」(試作)を初公開。1549年に日本にキリスト教が伝わった際の航海の様子を描いた上巻と、イエスを抱いた聖母マリアを中心に日本の信徒たちを描いた下巻で構成する。同作は昨年のローマ教皇フランシスコの来日を記念し制作された作品で、展覧会後バチカン市国に献呈するため日本での公開は「最初で最後」になるという。
現在の開館時間は11時~16時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。入館料は、一般=1,300円、大学・高校生=1,000円、中学生以下無料ほか。入館日時指定のオンライン予約も受け付けている。11月15日まで。