渋谷駅に直結し63年の歴史を持つ渋谷地下商店街「しぶちかショッピングロード」の各店が9月いっぱいでいったん閉店し、大規模な改装工事に入る。
「しぶちか」の愛称で親しまれてきた同商店街は戦後、渋谷駅周辺で商売をしていた露天商が始まり。当時、日本を占領していたGHQ(連合国総司令部)の指示により、駅周辺にあった露天商の移転が進んだ。飲み屋は1950(昭和25)年、東京都管理の下で山手線沿いに「のんべい横丁」を、洋品店や雑貨店などは東急電鉄(現在の東急)と東横百貨店(現在の東急百貨店)が出資し、1953(昭和28)年に「渋谷地下街株式会社」を設立。その後、工事を経て1957(昭和32)年11月、4727平方メートルの「しぶちか」が完成する。
同年12月11日、地下通路の両側に約2坪の小さな店が63店舗(現在は26店舗)連なる、本格的な地下商店街として開業。以来、63年間にわたって同所で営業を続けてきた。駅周辺には大型商業施設が次々に建ち、若者層を中心とした流行を追ったアパレルショップが増える中、どこか懐かしい「昭和」の雰囲気が漂うレトロな商店街として親しまれ、長年通う常連客も少なくない。
今回の大規模な改装工事の背景には建物の老朽化がある。大きな地震や豪雨などの災害が年々増える中、大都市における災害対策の必要性に迫られ改装を決めた。災害に強い地下空間づくりと共に、売り場スペースの大幅な見直しを行い、2021年7月ごろに東急フードショーの新装オープンと合わせて開業を予定しているという。
今月25日までは、改装前の「売りつくし大感謝セール」を実施している。