90年以上親しまれたJR原宿駅の旧駅舎が、8月下旬から解体される。
原宿駅は1906(明治39年)に開業。旧駅舎は1924(大正13)年に完成した2代目で、尖塔(せんとう)をのせた「ハーフティンバー」様式のデザインや白い外壁が特徴のイギリス調のデザインとなっている。都内で現存する最古の木造駅舎でもあった。
原宿駅では、今夏予定していた東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、利用者が多く見込まれる競技会場周辺駅などの主要乗換駅を改良する取り組みの一環で、改良工事が進められてきた。3代目の駅舎は3月21日に供用が始まり、明治神宮方面に西口の出入り口を新設したほか、コンコースや改札の拡張・増設、ホームの2面化などを行った。
建て替えとなる旧駅舎は、東京オリ・パラ競技大会終了後に解体予定としていたが、大会が延期となったことから8月下旬に解体工事に取りかかる。その後、防火地域の基準に適した材料を用い、外観を「可能な限り再現した」建物を建設する。新駅舎に隣接する建物では、まちの個性を生かし「にぎわい集う拠点づくり」を目指す。