渋谷・ハチ公前広場に設置されていた「東急5000系車両(愛称=青ガエル)」が8月6日早朝、移設先となる秋田県大館市の「秋田犬の里」に無事到着した。
2006(平成18)年にモニュメントとして設置された同車両では2013(平成25)年から、渋谷区観光協会が外国人旅行者向けの「青ガエル観光案内所」として運営してきた。全長11.22メートル、重さ約11トン。忠犬ハチ公像のモデルとなった秋田犬・ハチの生まれ故郷が大館市であることから、移設先に決まった。渋谷区と大館市は、防災時における協定を結ぶなど都市間交流を行ってきた縁がある。
移設先は、JR大館駅前に昨年5月にオープンした大館市観光交流施設「秋田犬の里」の芝生広場南側。2日深夜の搬出作業を経て3日早朝に渋谷を旅立った青ガエルは3日間の旅を終え、6日5時過ぎ、市関係者らが見守る中、ブルーシートに覆われ大型トレーラーに載せられた状態で到着した。車両に4本のワイヤーを取り付け大型クレーンでつり上げ、9時過ぎに所定の位置に設置。渋谷搬出時に外したパンタグラフを再び取り付けた後、ブルーシートが外され、大館の地に青ガエルが姿を現した。
散歩の時間と重なった、「秋田犬の里」で飼育されている秋田犬「勝大(しょうだい)」も青ガエルを出迎え、一緒に記念撮影する一幕もあった。勝大は、ロシアのフィギュアスケート選手、アリーナ・ザキトワ選手に贈られた「マサル」の兄弟。
大館市観光交流スポーツ部観光課の富樫照幸さんは「渋谷区をはじめ関係各所のおかげで、アクシデントも無く、無事、大館に到着してホッとした。これからも、渋谷区との関係を深めていきたい」と話す。
青ガエルは交流のモニュメントとして整備され、9月に休憩場所として開放される予定。ハチを中心に大館と渋谷の歴史の移り変わりなどを紹介していくという。